21日からコメ相場を対象とするeワラントが加わり、お取引ができるようになっています。eワラントでは株式だけでなく、金や原油などのコモディティ(商品)相場を対象とする銘柄もあります。1万円以下から投資ができ、最大損失は投資元本までに限定されていますので、コモディティ相場に慣れていない方でも取り組みやすくなっています。本稿ではコメ相場をはじめ、eワラントで投資できるコモディティ相場のポイントを紹介しています。
eワラントとは?
そもそもワラントってなに?3,000円程の少額から始められる「eワラントの魅力」をご紹介いたします。
コメ相場
株式相場や他のコモディティ相場は海外経済の動向によって変動することが多々ありますが、コメ相場は主に日本の要因で値動きするので、他の資産との相関が低いと考えられます。この点から複数の資産に分散投資するうえで投資先の1つとして加えてみてはいかがでしょうか。価格変動要因としては日本の天候や作付け状況による豊作・凶作などがありますが、これらのニュースは日本語によるものなので、他の資産のように海外のニュースで大きく動く、ということはあまり想定されないのも特徴でしょう。
コメ相場は数年上昇トレンドにあります。昨年は天候不順もありましたが、国の政策の後押しもあり、主食用から飼料用などに生産の変化が進んだ影響もありそうです。今後もコメ相場が上昇を続けると見るなら、コメ相場に連動するeワラントに投資妙味があるかもしれません。
eワラントには、大阪堂島商品取引所で取引される新潟コシ先物について、特定の限月の価格におおむね連動するリンク債を対象原資産とする銘柄があります。2019年1月23日時点ではこのリンク債と似た値動きをするトラッカー型eワラントがあります。SBI証券では2月からコメeワラントの取扱いを記念してキャンペーンを行う予定です。この機会にコメeワラントのお取引をぜひともご検討ください。
金相場
金といえば宝飾品を思い浮かべる方も多いでしょう。金相場は「有事の金買い」と言われるように地政学的なリスクが高まるときに買われることがあります。これは通貨を代替する価値があるためですが、特に米ドルとの関係には注目です。米ドルが安くなれば金は相対的に高くなることから、金相場の直近の上昇の要因は、利上げ打ち止め観測により、米ドルに先安感があることを反映しているのかもしれません。
金相場には1グラム当たりの円建ての金価格におおむね連動する金リンク債を対象とするコール型・プット型eワラントと、プラス5倍・マイナス3倍トラッカー型eワラントがあります。短期のトレードであればコール型・プット型eワラント、中長期目線であればプラス5倍・マイナス3倍トラッカー型を選ぶとよいでしょう。
プラチナ相場
プラチナ(白金)は希少性が高く、かつては金よりも高額で取引されていましたが、近年では金価格を下回っています。また、産業金属としてディーゼル車の排ガスを浄化する触媒として注目されましたが、環境対策として主要国が電気自動車の普及に注力したことや、ドイツ自動車大手フォルクスワーゲンによる排ガス不正をきっかけに、ディーゼル車よりもガソリン車が選好されるようになり、プラチナ価格は低迷しました。
プラチナ相場には1グラム当たりの円建てのプラチナ価格におおむね連動するプラチナリンク債を対象とするプラス5倍・マイナス3倍トラッカー型eワラントがあります。
銅相場
銅は発電、建築、自動車など用途が多岐にわたることから、産業用金属(ベースメタル)と呼ばれています。近年では電気自動車に利用されるモーターや配線などへの需要が増加すると見られています。特に中国は世界の銅需要の4割を占める銅の最大消費国ですので、銅相場には中国での建設、設備投資需要、ひいては中国景気の動向が表れているのかもしれません。
銅相場にはドル建ての銅価格におおむね連動する銅リンク債を対象とするプラス5倍・マイナス3倍トラッカー型eワラントがあります。
原油相場
ニュースなどで原油価格が報じられる場合、ほとんどの場合は原油そのものの価格ではなく、原油を対象にした先物価格を指すことが一般的です。とくに米国のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)と呼ばれる先物価格が有名です。年末まで原油相場は下落傾向にありましたが、直近では産油国の減産方針により上昇傾向にあります。
eワラントには、WTI原油先物について、特定の限月の価格におおむね連動するリンク債を対象原資産とするコール型・プット型eワラントがあります。
コーン相場
上記のようにコモディティと言っても相場に影響を与える主たる要因は異なっていますが、コーンはコメと同様、穀物であることが大きな違いです。コーン相場には米国やアルゼンチン、ウクライナなど生産地の天候、作付け、収穫、在庫などが影響を与えます。また、コーンはバイオエタノールの原料にもなります。昨年、トランプ米大統領がバイオエタノール混合比率の高いガソリンを販売しやすくする措置を行った際には、コーン相場は上昇しました。
eワラントには、コーン先物について、特定の限月の価格におおむね連動するリンク債を対象原資産とするコール型・プット型eワラントがあります。
(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)
eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎(おのだ まこと)
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