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業種間の変動率の差に注目したトレードアイディア

2018/03/09

株式市場を業種別で見てみると株価が低迷していた業種が翌月には上昇率の上位になったり、逆に上位にいた業種が翌月には下位に低迷するといった具合に、相対的に株価が下がった業種はいずれ反発し、値上がりした業種は下落するという経験則があります。本稿ではこの経験則を利用して、相対的に上昇が期待できる業種のコール型eワラントと相対的に下落が想定される業種のプット型eワラントを保有することで収益獲得を狙う方法について紹介しています。

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セクターローテーション

この図は東証33業種にTOPIXを加えた月次変動率のランキングで、2017年6月から2018年3月まで並べたものです(2018年3月は6日までの変動率を使用)。例えば2018年3月のトップは石油・石炭で0.02%、ワーストは鉄鋼で-5.76%でした。この図を見ると順位はほぼ毎月入れ替わっていますが、前月トップの業種が翌月はTOPIXを下回ったり、前月ワーストの業種が翌月はTOPIXを上回ることが毎回ではないものの、頻繁に発生しています。

このように物色される業種が月次など一定の周期で変わることをセクターローテーションと言うことがあります。

セクターローテーションはなぜ起こる?

理由は定かではありませんが、一般的に長期投資を前提とする機関投資家の中には、相対的に上昇したものを売り、下落したものを買うということを行います。機関投資家の行動パターンを当てはめると上昇が目立つ業種は売られ、下落が目立つ業種は買われる傾向はあるかもしれません。

または、投資家による過剰反応も挙げられるかもしれません。株価にとって良い情報を投資家が過大に評価してしまい、株価が合理的と考えられる価格を大きく上回る、または、株価にとって悪い情報を投資家が過剰に懸念してしまい、株価が合理的と考えられる価格を大きく下回るといったことです。合理的と考えられる価格から大きく乖離した株価はその後、適正な価格に収れんしていくことが考えられます。

セクターローテーションを前提とする戦略

投資戦略としては、前月の業種別変動率がトップの業種のプット型eワラントを買い付けると同時に、前月の業種別変動率がワーストの業種のコール型eワラントを買い付けることを考えます。
2018年2月のトップは精密機器、ワーストは海運でしたので、精密機器のプット型eワラントと海運のコール型eワラントの買い付けを考える、といった具合です。とはいえ、3月も既に中旬に差し掛かっているので、3月の業種別変動率を見て4月の投資方針を考えても良いでしょう。もし、図のまま月末を迎えて、石油・石炭がトップ、鉄鋼がワーストとなった場合は次の銘柄が組み合わせ例となります。

例: 新日鐵住金 コール 第175回 (鉄鋼)とJXTG プット 第31回(石油・石炭)
銘柄の検索は「業種」と「コール/プット」で絞り込めますので銘柄選びは容易です。

買い付ける銘柄ですが、投資期間は1ヵ月ほどを想定し、コール型とプット型のワラントレバレッジ(実効ギアリング)の水準が絶対値で同程度、可能なら満期日も近いのが理想的です。リスク量がなるべく偏らないようにして、相場全体の方向性ではなく、業種間の値動きの乖離に注目する戦略だからです。

なお、この投資戦略は相場全体の上下の動きに関わらず、
(A:コール型の対象となっている株式の変動率)>(B:プット型の対象となっている株式の変動率)を前提としていますので、例えば A:5%、B:3%であっても、
A:-1%、B:-5%であっても良く、このように変動率に差が生じれば合計で利益の獲得を期待することができるでしょう。

ただし、A < B となった場合には損失となる可能性が高く、さらにA > B の状態となるのに時間がかかり、コール型とプット型の時間的価値の減少の影響が大きくなった場合にも損失となる可能性があることには注意が必要です。

(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)

eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎(おのだ まこと)

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