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2017-11-22 18:04:54

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米国の長短金利に見られる投資家心理を確認

2017/11/10

米国の長期金利や短期金利には多くの市場関係者が注目しています。長短金利の状況はイールドカーブに見られますが、経済動向によって変化するイールドカーブには投資家心理があらわれているとも考えられます。本稿では直近の米国のイールドカーブの状況について確認するとともに、今後の投資戦略について考えてみました。

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イールドカーブとは?どこに注目したらよい?

図1は米国債のイールドカーブです。イールドカーブとは米国債の各年限の利回りを線で結んだものです。例えば図1の赤色の線は、2017年11月7日時点で満期まで残り1ヵ月の国債の利回りが約1.0%、残り3ヵ月の国債の利回りが約1.2%、残り6ヵ月の国債の利回りが約1.3%・・・残り10年の国債の利回りが約2.3%となっていた利回りを結んだものです。通常、イールドカーブは国債の残存期間が長くなるほど利回りは上昇する傾向にあるので右肩上がりの形状をしています。

図1:米国債のイールドカーブ(2017年11月7日時点)

出所:ロイターよりeワラント証券投資情報室作成

イールドカーブを見る上で重要なポイントは、イールドカーブの形状が経済動向に応じて変化することです。長期金利が短期金利に比べて大幅に高い状況では、イールドカーブの傾きが急となり(スティープ化)、逆に長期金利と短期金利の差が縮小する状況ではイールドカーブの傾きは緩やかになります(フラット化)。また、ごく稀に短期金利が長期金利を上回り、右肩下がりのイールドカーブとなることもあります。いわゆる「逆イールド」と呼ばれる現象です。

国債の利回りは、国債が値下がりすると上昇し、国債が値上がりすると低下する関係にあります。一般的に、米国景気の先行きに楽観的な投資家が増えると、保有する長期国債を売却して株式を買う動きが出てくるので、国債の売却によって10年あたりの長期ゾーンを中心に利回りが上昇すると考えられます。短期金利に変化がなければイールドカーブがスティープ化することになります。逆に米国景気の先行きに悲観的な投資家が増えると、保有する株式を売却して長期国債を買う動きが出てくるので、国債の買付により10年あたりの長期ゾーンを中心に利回りが低下すると考えられます。短期金利に変化がなければイールドカーブがフラット化することになります。

図1では6ヵ月前からのイールドカーブの変化を見ることができますが、5年以上の長期ゾーンで3ヵ月前にいったん利回りが低下し、直近では再び6ヵ月前の水準に戻ってきていることがわかります。3ヵ月前は株式よりも米国債が選好され、直近では再び米国債よりも株式が選好されたと解釈できそうです。一方、2年以下の短期ゾーンでは一貫して利回りが上昇しており、米国債のイールドカーブは徐々にフラット化していることが分かります。

長短スプレッドは低下傾向

図1の短期ゾーンで利回りが上昇しているのはFRBによる政策金利の引き上げが影響しているものと考えられます。短期金利が長期金利を上回る、いわゆる「逆イールド」の状況になると注意が必要です。図2は残存10年の米国債利回りを長期金利、残存2年の米国債の利回りを短期金利として、その長期金利と短期金利の差(以下「長短スプレッド」といいます)の推移を見たものです。

図2:米国の長短金利(1992年1月〜2017年10月)

出所:ロイターよりeワラント証券投資情報室作成

10月時点で長短スプレッドは依然としてプラスですが、短期金利が上昇傾向にあり、長短スプレッドは徐々に低下しています。長短スプレッドがマイナスとなっている、「逆イールド」の時期(赤い部分)がありますが、米国では過去に「逆イールド」が発生した後に株価がピークをつけていました。図3は長短スプレッドとS&P500の推移を比較したものです。

図3:米国の長短スプレッドと株価(1992年1月〜2017年10月)

出所:ロイターよりeワラント証券投資情報室作成

現状の長短スプレッドを踏まえた今後のシナリオと投資戦略

フラット化が進んでいる状況は、FRBによる金融引き締めと将来の景気拡大期待の縮小を示唆しているものと考えられます。今後も政策金利の引き上げは実行されていくでしょうから、短期金利の上昇は避けられないでしょう。株価が高値を更新しており、税制改革などトランプ政権による経済政策が徐々に動き出した印象もありますが、長期金利が大きく上昇していないことから米国景気の持続性に疑問を持っている投資家が少なからず存在していると考えられます。

とはいえ、長短スプレッドがマイナスになるのはまだ先と見られ、この間に投資家が米国景気の持続に確信をもてば、米国債を売って株式を買う流れが継続し、長期金利は上昇するかもしれません。このシナリオを前提とする場合、NYダウコールや日経平均コールのうち、満期までの期間が長く、権利行使価格が低い銘柄を選択するのも一案です。このような銘柄は時間的価値の減少の影響が比較的小さく、株式の代替として活用できるでしょう。

一方で、景気の先行きに対する不安が支配的となると、株式を売って米国債を買う流れが急発生し、長期金利が一気に低下するシナリオも考えられます。特に長期金利が急低下して長短スプレッドがマイナスとなった場合は株式を売却する、あるいはNYダウプットや日経平均プットのうち、満期までの期間が長く権利行使価格が高い銘柄を選択して長期的な株価の下落トレンドに備えます。長短スプレッドがマイナスになってもすぐ暴落があるとは限りませんので、時間的価値の減少の影響が小さいプット型または時間的価値の減少のないマイナス3倍トラッカーeワラントがこのシナリオには向いていると考えられます。

(念のため付言しますと、上記は筆者の個人的な見解であり、eワラント証券の見解ではありません。)

eワラント証券 投資情報室長 小野田 慎(おのだ まこと)

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