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2022-06-28 05:07:23

金は米FRBの大幅利上げ見通しやリスク回避が圧迫

2022/5/16
提供:ミンカブ・ジ・インフォノイド

金ETFから投資資金の流出が続く

5月9日の週のニューヨーク金市場は、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げ見通しやリスク回避のドル高・株安を受けて下値を試した。中心限月となる6月限は2月4日以来の安値1,797.2ドルを付けた。4月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.3%上昇と前月の8.5%上昇から減速した。エネルギー価格の高騰一服が背景にあり、今後のインフレが抑制されるとみられている。ただ事前予想の8.1%上昇を上回り、先行き懸念も残っている。米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は、米FRBが6、7月に開く2回の米連邦公開市場委員会(FOMC)でそれぞれ50ベーシスポイント(bp)の利上げを実施する公算が大きいというシグナルは「理にかなっている」という認識を示した。米FRBが物価の目安としているコア個人消費支出(PCE)価格指数については現在の5.2%から年末時点に約4%、2023年には2.5%近辺まで低下するという見通しを示した。CMEのフェドウォッチによると、米短期金利先物市場で米FRBの6月75bp利上げの確率は8.9%(前週16.1%)に低下した。ただ50bp利上げが見込まれ、米主要株価指数は年初来安値を更新した。一方、ドル指数は105.01と2002年12月以来の高値を付けた。今週は17日に4月の米小売売上高の発表がある。5月の米ミシガン大消費者信頼感指数速報値が59.1と4月確報値の65.2から低下し、消費者心理が悪化しており、個人消費の行方を確認したい。
3月の英国内総生産(GDP)は前月比0.1%減少と予想外のマイナス成長となり、景気減速懸念が高まった。事前予想は横ばい。エコノミストは再び景気後退(リセッション)に陥るリスクが高まっていると指摘した。また中国がゼロコロナ政策を継続し、上海市と北京市が規制を一段と強化したことも景気減速懸念を高める要因になった。バンク・オブ・アメリカ(BofA)によると、投資家は極端なリスクオフムードの中で株式、債券、マネー・マーケット・ファンド(MMF)、金などあらゆる資産クラスから資金を引き揚げた。11日までの週に株式からは62億ドル、債券は114億ドル、MMFは197億ドル、金は18億ドルがそれぞれ流出した。仮想通貨と投機的なテクノロジー株の下落はインターネットバブル崩壊や世界金融危機に匹敵すると指摘された。
ロシアのプーチン大統領は9日、対ナチス・ドイツ戦勝記念日の軍事パレードの式典で演説し、ウクライナに対する特別軍事作戦は必要かつ時宜にかなった措置で唯一の正しい判断だったと主張した。戦争宣言はなく、侵攻が正当化されるにとどまった。一方、バイデン米大統領は9日、「武器貸与法案」に署名した。米大統領の権限でウクライナや東欧諸国に兵器などの軍事物資を貸与する際に、本来必要な手続きが免除される。ウクライナ軍は欧米の武器供与を受けて6月に攻勢に転じるとみられている。また北大西洋条約機構(NATO)の同盟国はフィンランドとスウェーデンが加盟を申請すると見込んでおり、迅速に加盟を承認する見通しとなっている。ロシアとウクライナの戦闘の行方と、プーチン大統領がウクライナ侵攻の落とし所をどう考えているかを確認したい。
5月13日のニューヨークの金ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比26.11トン減の1,055.89トンとなった。米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げ見通しやドル高を受けて投資資金が流出した。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、5月10日時点のニューヨーク金の大口投機家の買い越しは19万3,315枚となり、前週の19万9,168枚から縮小した。今回は手じまい売りが4,492枚、新規売りが1,361枚出て、5,853枚買い越し幅を縮小した。

プラチナは大口投機家の買い戻しが下支え

ニューヨーク・プラチナ7月限は、買い戻し主導で押し目を買われ、991.7ドルまで戻したが、金急落やドル高を受けて戻りを売られた。ニューヨークの指定倉庫在庫の減少で実需筋の買い戻しが入ったことに加え、売り越していた大口投機家が買い越しに転じ、買い戻しが進んだ。しかし、ドル高に加え、景気減速懸念が上値を抑える要因になった。900〜1,000ドルのレンジを形成しており、当面は方向性を模索することになりそうだ。プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、12日のロンドンで16.53トン(前週末16.42トン)、ニューヨークで36.53トン(同36.97トン)、南アで10.74トン(同10.77トン)となった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、5月10日時点のニューヨーク・プラチナの大口投機家は1,363枚買い越しとなり、前週の1,541枚売り越しから途転買い越しとなった。

ニューヨーク金は200日移動平均線を割り込む

ニューヨーク金6月限は、米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げ見通しやリスク回避のドル高・株安を受けて軟調となり、2月4日以来の安値1,797.2ドルを付けた。4月の米消費者物価指数(CPI)でインフレの伸びが減速したが、米FRBの大幅利上げ見通しに変わりはなく、ドル高が進んだ。また高インフレによる景気減速が懸念されるなか、株安に振れたことも圧迫要因になった。リスク回避の動きを受けて各市場で投資資金が流出し、金も一段安となった。テクニカル面では中長期の節目となる200日移動平均線(13日1,840.8ドル)を割り込み、悪化した。ただRSIが売られ過ぎの水準に近づいており、米国債の利回り低下などを背景に買い戻されるかどうかが目先の焦点になりそうだ。今週は4月の米小売売上高などの発表がある。

5月16日からの週の注目ポイント

16日 中国小売売上高(4月) ☆☆
中国鉱工業生産(4月) ☆☆
米ニューヨーク連銀製造業景況指数(5月) ☆☆
対米証券投資(3月) ☆☆
17日 英雇用統計(4月) ☆☆
ユーロ圏域内総生産(1-3月期改定) ☆☆☆
米小売売上高(4月) ☆☆☆
米鉱工業生産・設備稼働率(4月) ☆☆
米企業在庫(3月)
18日 国内総生産(1-3月期1次速報) ☆☆☆
英消費者物価指数(4月) ☆☆
ユーロ圏消費者物価指数(4月確報) ☆☆☆
米住宅着工・許可件数(4月) ☆☆
19日 機械受注(3月) ☆☆
貿易収支(4月速報) ☆☆
米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(5月) ☆☆
米新規失業保険申請件数 ☆☆
米中古住宅販売統計(4月) ☆☆
20日 消費者物価指数(4月) ☆☆☆
英小売売上高指数(4月) ☆☆

※重要度を3段階で表示

金(現物1oz.あたり)日足 6ヵ月

<参照>SBI証券>マーケットデータより

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