来週の株式見通し(2021/7/26〜7/30)
来週(2021/7/26〜7/30)の日経平均株価の予想レンジは27,800円〜28,500円。東京株式市場は連休中のNY株式市場の堅調な動きを好感して全面高スタートが予想される。ダウ平均は4日続伸となり終値ベースで初の35,000ドルを突破、今週決算を発表するフェイスブックやアルファベットなどが大幅高となった。
先週発表した日本電産の決算発表が好印象であったことから、電機・機械などのハイテク株やEV(電気自動車)関連株への決算期待が高まりやすいことに加え、週前半は米国株の予想以上の堅調さが日本株の出遅れ感を強める要因となる。7/27〜7/28にはFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されるが、足元では米長期金利上昇に対する警戒はそれほど高まっていないため、マーケットにはフレンドリーな影響が見込まれる。
一方、東京オリンピック開催中でもあり、新型コロナの感染被害動向に神経質となる状況は続く。3月決算企業の1Q業績が多く出てくることから、取引時間中は基本的には個別物色が主体だろう。昨年9月から続く月末安への警戒もあり、週後半は指数の上値が重く連休前の雰囲気に戻る可能性も高い。
来週の国内経済指標の発表では、6月鉱工業生産、6月商業動態統計、6月住宅着工統計(7/30)に注目。海外では、FOMC(〜7/28)、米7月消費者信頼感指数(7/27)、パウエルFRB議長会見(7/28)、米4-6月期GDP速報値(7/29)、米6月個人所得・個人消費支出(7/30)など重要指標が多数発表される。
日経平均株価(図表1)は5日移動平均線(27,774円 7/21)付近で頭打ちとなり、寄り付きで形成したマドを埋め戻す陰線を形成して終えた。
RSI(9日)は38.3%(7/21)まで上昇。強弱の分岐となる50%以下で推移しており、弱気局面の中での自律反発の域を脱してない。下向きに変わった5日移動平均線や10日移動平均線(28,082円 同)、25日移動平均線(28,490円 同)などが、短期的には上値の抵抗となりえる。急反発を伴う強い上昇で7/13高値(28,852円)を超えるような動きでもない限り、よくても日柄調整がしばらく続くことが予想される。
下値メドは、1/6高値(27,196円)、心理的節目27,000円、昨年12/21高値(26,905円)などが考えられる。
図表1:日経平均株価の日足チャート(2021/1/4-2021/7/21)
- 出所:QUICKよりDZHフィナンシャルリサーチが作成
主要な国内経済指標の発表やイベントでは、6月全国百貨店売上高(7/26)、日銀金融政策決定会合の「主な意見」(7/15〜16開催分)(7/28)、6月失業率、6月有効求人倍率、6月鉱工業生産、6月商業動態統計、6月住宅着工統計(7/30)がある。
企業決算では、中外薬、日東電、スタンレ電、富通ゼネ、マクニカ富士、ナガワ、インソース、栄研化、信越ポリ、トランコム、蝶理、日精線、ピーシーエー、高純度化、KIMOTO(7/26)、信越化、シマノ、日清粉G、三菱自、キヤノンMJ、アマノ、松井証、コメリ、MARUWA、メルコ、帝国ホテル、積水樹、マクアケ、京阪神ビ、KOA、ゲンキードラ、カワチ薬品、未来工業、モーニングスタ、タツタ線、JFE−SI、杉本商、サイバトラスト(7/27)、エムスリー、キヤノン、日産自、アドバンテ、TDK、JPX、サイバエージ、小糸製、日立金、東ガス、京王、日立建、東映アニメ、スクリン、静岡銀、カゴメ、アイカ工、大特鋼、マネックスG、アサヒHD、航空電、トクヤマ、沖縄セルラー、H2Oリテイル、SHOEI、Vコマース、メタウォーター、横河ブHD、エクセディ、モリタHD、太平洋、ブルボン、SBテクノロジ、アイチコーポ、伊藤忠食、東エレデバ、エレマテック、エンプラス、青森銀、バルカー、エステー(7/28)、キーエンス、村田製、OLC、HOYA、ファナック、富士通、パナソニック、三菱電、京セラ、NRI、オムロン、三住トラスト、ZOZO、大和証G、積水化、大日住薬、大東建、大ガス、ヒューリック、カプコン、小林製薬、富士電機、アコム、SBI、東武、邦ガス、新電工、日野自、ベネ・ワン、東電力HD、JCRファーマ、きんでん、PALTAC、ミツコシイセタン、コニカミノルタ、ISID、アンリツ、NESIC、九電工、アルプスアル、日電硝、システナ、相鉄HD、日ガス、芙蓉リース、メイテック、中国銀、ダイビル、東海理化、デクセリアルス、北陸電、TOKAIHD、サカイ引越、滋賀銀、Jストリーム(7/29)、デンソー、武田、三井住友、第一三共、JT、みずほ、JR東海、アステラス薬、JR東日本、豊田織機、コマツ、SGHD、豊通商、野村HD、味の素、NEC、マキタ、アイシン、ANA、小野薬、MonotaRO、JR西日本、ミスミG、ヤクルト、りそなHD、小田急、コーセー、ローム、M&A、日本酸素、中部電、TOTO、関西電、阪急阪神、LIXIL、エプソン、SCSK、清水建、ポーラオルHD、栗田工、京成、ヒロセ電、商船三井、ガイシ、メディパル、ALSOK、ナブテスコ、日精工、日立物、東洋水産、東北電、トヨタ紡織、ニフコ、九州電、中国電、ジェイテクト、住友重、新生銀、京都銀、エフピコ、豊田合、ゼオン、特殊陶、山九、NSSOL、アズワン(7/30)などが発表を予定している。
一方、海外の経済指標の発表やイベントでは、独7月IFO景況感指数、米6月新築住宅販売(7/26)、FOMC(〜7/28)、米6月耐久財受注、米5月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米7月消費者信頼感指数、米5年国債入札(7/27)、パウエルFRB議長会見(7/28)、米4-6月期GDP速報値、米6月NAR仮契約住宅販売指数、米7年国債入札(7/29)、ユーロ圏4-6月期GDP、米6月個人所得・個人消費支出(7/30)がある。
米企業決算では、テスラ、ロッキード・マーティン(7/26)、アルファベット、アップル、マイクロソフト、ビザ、ゼネラル・エレクトリック、スリーエム、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、スターバックス(7/27)、ボーイング、ファイザー、マクドナルド、フェイスブック、クアルコム、フォード、ペイパル(7/28)、アマゾン、メルク、マスターカード、ギリアド・サイエンシズ(7/29)、エクソンモービル、シェブロン、プロクター・アンド・ギャンブル(7/30)などが発表を予定している。
来週の注目銘柄!(7/26〜7/30)
銘柄 |
銘柄名 |
目標株価(円) |
ロスカット |
注目ポイント |
---|---|---|---|---|
4382 | 2,700 | 1,900 | AI技術強みに市場予測などBtoBサービスを提供。2021年4月期の営業利益は2.9億円と前期比で35.9%減となったものの、従来予想の2.3億円を上振れる着地となった。先行投資の影響で今期は減益見通しであるものの、売上については堅調に伸びる見通し。株価は2月以降軟調に推移しているが、値ごろ感は強く、今後は買い戻しの動きが活発化すると考える。ターゲットは2,700円、ロスカットは1,900円 | |
4568 | 2,900 | 2,000 | 国内製薬大手。2021年3月期の連結営業利益は大きく減少し、株価は軟調に推移している。しかし、直近ではがん治療用ウイルス製品が悪性神経膠腫の治療を目的とした再生医療等製品として、国内で製造販売承認を取得したと発表するなどポジティブな材料も出ている。足元では悪材料出尽くしから下方調整が済んだようにも見て取れ、今後は反発局面入りを期待した買いが優勢になると考える。ターゲットは2,900円、ロスカットは2,000円 | |
4612 | 1,800 | 1,300 | 自動車、汎用、工業用など総合塗料メーカーで世界4位。2021年12月期第1四半期の連結営業利益(IFRS)は263億円(前年同期比72.4%増)と堅調に伸びた。インドネシア事業の子会社化に加え、主力事業である中国の汎用塗料が好調に推移したことなどが寄与した。また、直近では一部メディアで自動車の内装部品向けフィルムを発売すると報じられた。ダッシュボードなどの装飾に用い、塗料では難しかった細かいデザインを施せるのが特徴で、また塗装で必要な乾燥工程をなくせる利点もあるという。今後の業績拡大期待から、資金は流入しやすいと考える。ターゲットは1,800円、ロスカットは1,300円 | |
4929 | 1,400 | 950 | 美容室経由でスキンケア、ヘアケア、美容機器を販売。2022年3月期第1四半期の連結経常損益は1億2,900万円の黒字(前年同期は600万円の赤字)となり、上期計画の2,600万円の赤字をすでに上回っている。1Qの営業利益率は前年同期の-0.6%から11.1%に急改善しており、足元の業績回復は著しい。株価は4月以降緩やかながら右肩上がりが続いており、チャート的にも買い安心感がある。3月の急騰からさほど時間も経っていないことから、今後は投機的な買いも強まると考える。ターゲットは1,400円、ロスカットは950円 | |
8771 | 3,100 | 2,160 | 企業の売掛債権保証で成長。2021年3月期の売上高は前期比20.8%増の71.94億円、営業利益が同13.6%増の30.88億円となった。新型コロナウイルス蔓延の影響による顧客ニーズの高まりに合わせた新商品を開発し、タイムリーに提供したことで信用リスク保証サービスの新規契約が増加した。株価は2012年から長期的に強い動きを見せているものの、昨年7月以降は横ばいが続いている。ただ、上記の通りコロナ禍においてサービス需要が拡大しており、良好な事業環境が続く中で今後買いは徐々に強まると考える。ターゲットは3,100円、ロスカットは2,160円 |
出所:DZHフィナンシャルリサーチが作成
- 注目銘柄採用基準・・・7/21現在、東証1部上場でPBRが1.5倍以上、PERが40.0倍以上、信用倍率が15.0倍以下(7/16現在)の中から、テクニカル面、業績面、話題性、成長性などを総合的に考慮してピックアップした。
- 「目標株価(円)」・・・一目均衡表分析の値幅観測やフィボナッチ、株価の過去の節目などを基準に総合判断。
- 「ロスカット株価(円)」・・・一目均衡表や移動平均線、株価の過去の節目などを用い総合判断。
- ※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。
- ※NISA口座で上場株式等の配当金を非課税で受け取るためには、配当金の受領方法を「株式数比例配分方式」に事前にご登録いただく必要があります。