先週の日経225先物は、前週末比110円高の38,120円とやや上昇。
週初は、衆議院議員総選挙で自民党と公明党の政権与党が過半数の議席を獲得できなかったことから、政権運営の不安定化を警戒した売りが先行したが、現物市場の寄り付き直後にショートカバーが強まり予想以上に株価回復は早かった。
政治リスクを警戒した売り方の買い戻しが広がるなか、10月30日は前日の米ハイテク株高やアルファベットの好決算などを材料に投資家心理が上向き、日経225先物は39,490円まで上昇した。
10月30-31日に開催された日銀金融政策決定会合では、市場の予想通り政策金利は据え置かれたものの、会合終了後の記者会見で、植田総裁が「時間的余裕がある」との表現の使用をやめたことで年内追加利上げ観測が強まり、為替市場では一時1ドル=151円台まで円高・ドル安が進行。日経225先物も夜間取引で日中終値から500円以上下げる場面もあり、11月1日はギャップダウンでのスタートとなった。
3連休を控える中、米雇用統計の発表や大統領選挙、連邦公開市場委員会(FOMC)と重要イベントが続くことから、リバウンドの動きは強まらず週末の取引を終えた。
東証が公表した10月第4週(10月21日-25日)の投資部門別売買状況によると、海外投資家は現先合計で買い越しへ転じた。この週は日経平均が週間で2.74%下落していたが、最大の売り主体は都地銀であった。個人投資家は現先合計で売り越しに転じた。
10月25日時点の裁定残高は、ネットベースで1兆1,076億円の買い越しとなり、前週 (1兆7,054億円の買い越し)から減少した。一方、株数ベースでは、5億1,466万株の買い越しで、18日(7億6,946万株の買い越し)から減少している。
日経平均と裁定残(10月25日時点)
先週の日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は前週末比6.11pt安の26.03と低下。
衆院選後の政権不安定化への警戒感が後退し、日経VIは低下した。
11月限オプションの建玉状況
<プット>
36,500円:約2,800枚(前週末比+100枚)
37,000円:約2,900枚(同-400枚)
37,500円:約1,500枚(同+400枚)
38,000円:約4,300枚(同+0枚)
<コール>
38,500円:約1,700枚(同+300枚)
39,000円:約3,000枚(同+200枚)
39,500円:約2,300枚(同-200枚)
40,000円:約5,200枚(同+600枚)
ボラティリティ
NT倍率(先物)は14.4倍台で横ばい
NT倍率(先物)は14.4倍台と横ばい推移となった。
衆議院選挙にて政権与党が過半数割れとなったが、織り込み済の結果だったことで225先物、TOPIX先物ともに買戻し優勢となった。
一時14.5倍台まで拡大する場面が見られたものの、決算発表後の米ハイテク株が売り優勢となったことで、225先物がやや弱い動きに。
NT倍率(先物)は14.4倍台で週末の取引を終えた。
今週の日経225先物は荒い値動きに注意か。
5日に米大統領選挙が控えており、この結果に市場の動きは左右されそうだ。
日本では6日の取引時間中に開票作業の状況が伝わるため、開票速報をにらみながらの値動きとなろう。選挙結果判明後は、アク抜け感から強い動きとなることも想定される一方で、市場ではトランプ氏当選を織り込んだ動きとなっていることから巻き戻しの動きとなる可能性もあり、波乱は覚悟する必要がありそうだ。
また、今週は11月限の日経225ミニ・オプション特別清算指数(SQ)算出週となっており、材料次第ではヘッジの動きが絡んだ荒い値動きとなりやすいことにも注意したい。
とはいえ、先週末の米雇用統計の結果を通して、11月FOMCでは25bpの利下げ実施が市場コンセンサスとなりつつあり、米利下げ見通しに対する不透明感がやや解消されている点は底堅い動きにつながろう。一方で、国内では政権安定化に向けて他党との協力関係を模索する動きが続くとみられ、やや上値の重さは残るか。
今週の225先物予想レンジは37,500円-39,200円とする。