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2020-12-04 21:22:08

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【"大相場"の気配】日経平均はどこまで上昇するのか?過熱感は?

2020/11/10

投資情報部 鈴木英之

日経平均株価は「大相場」に突入したのかもしれません。

同株価は2018年以降3度跳ね返されてきた24,000円台前半の上値抵抗ラインを突破し、11/10(火)の取引時間中にはおよそ29年ぶりに25,000円台を回復してきました。接戦となった米大統領選挙はバイデン氏が“当選確実”となったうえ、米製薬大手ファイザーが、独バイオ企業ビオンテックと共同開発中の新型コロナウイルス向けワクチンの臨床試験で、90%超の有効性を発表したことが追い風になりました。

年末から年初にかけ、日経平均株価はどこまで上昇するのでしょうか。
急騰による過熱感が強まり、調整するリスクはないのでしょうか。

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1米大統領選挙でバイデン氏が“当確”〜日経平均株価はおよそ29年ぶり高値に

10月の東京株式市場は、日経平均株価(月足)が前月末比マイナス207円99銭(0.9%)と、8月・9月の連騰からおよそ3ヵ月ぶりの下落となりました。米大統領選挙や、欧米での新型コロナウイルスの感染再拡大などが影響し、東証1部の売買代金は10/12(月)から10/27(火)まで12営業日連続で2兆円を下回るなど、様子見気分が支配的になりました。ただ、米国株に比べ割安感が指摘され、NYダウ(月足)が10月に4.6%下げたことを考えれば堅調な値動きでした。

そして、月替わりとなった11/2(月)の日経平均株価は6営業日ぶりに大幅反発となりました。月末に「売られ過ぎ」となり、押し目買いが広がった上、菅首相が鉄道や空運の資金繰り支援に言及したことが好感されました。11/3(火)文化の日の休場をはさみ、11/4(水)は399円75銭高と、2/13(木)以来の高値水準回復となりました。この日は、米国時間11/3(火)の米大統領選挙の開票を横目に睨みながらの展開となりましたが、11/2(月)および11/3(火)のNYダウが、大統領選の早期結果判明への期待感から、2日合計でおよそ978ドル上昇したことを好感しました。

続く、11/5(木)の日経平均株価は前日比410円05銭高、11/6(金)は219円95銭高と上昇が続き、ここまでで4営業日続伸となりました。大統領選挙については次第にバイデン氏優勢の色が濃くなりましたが、上下院選挙(一部改選)では下院民主党、上院共和党優勢の展開(後者の判明は2021/1予定)となり、両院の勢力がねじれる公算となったことから、民主党によるIT産業の規制強化に対する懸念が後退しました。結局、11月第1週(11/2〜11/6)の日経平均株価(週足)は前週末比1,348円10銭(5.9%)上昇となり、週足ベースでは5月第4週(5/25〜5/29)以来の上昇幅・率となりました。

なお、日経平均株価の11/6(金)終値は24,325円23銭で、1991/11/13(水)の24,416円23銭以来、およそ29年ぶりの高値水準を回復したことになります。これまで日経平均株価は2018年以降、24,000円台前半まで回復した局面は3回ありましたが、すべて跳ね返され、下落してきました。

米大統領選挙についてはバイデン氏が“当確”となり、米国時間11/7(土)に同氏が勝利を宣言し、一応の決着をみる形になりました。これを受けた11/9(月)の東京株式市場では、朝方から買いが先行し、日経平均株価終値は24,839円84銭と、24,000円台後半となりました。これにより、24,000円台前半の上値抵抗線は明確にブレイクされた形になりました。

そうした中、この日の米国株式市場では米製薬大手ファイザーが新型コロナウイルス向けワクチンの治験で90%超の有効性を得たというニュースが飛び込んできました。同社は11月第3週以降、FDA(米食品医薬品局)にワクチンの緊急使用許可を申請する方針で、2021年には最大13億回分生産できる見通しを発表しています。なお、同社については日本とも2021/6までに6,000万人分供給の基本合意をしています。

これを好感した11/9(月)の米国市場はNYダウが取引時間中の高値を更新し、一時29,933ドル(前日比1,610ドル高)まで上昇、11/10(火)の東京株式市場でも日経平均株価が買い先行となり、取引時間中におよそ29年ぶりとなる25,000円の大台を回復しました。

表1 日経平均株価の値動きとその背景(2020/11/2〜2020/11/10)

  日経平均株価 日米株式市場等の動き
終値 前日比
11/2(月) 23295.48 318.35 中国製造業PMIが強かったことを好感。米国では日次の新型コロナ感染者が過去最多に。
11/4(水) 23,695.23 +399.75 日経平均終値がおよそ9カ月ぶりの高値に。米選挙後の経済対策に期待か。
11/5(木) 24,105.28 +410.05 日経平均終値が年初来高値更新し、約2年1カ月ぶりの高値水準に。
11/6(金) 24,325.23 +219.95 米株高を追い風に日経平均が1991年11月13日以来、約29年ぶりの高値水準に。
11/9(月) 24,839.84 +514.61 米国時間11/7(土)にバイデン氏が勝利宣言を発し、さらにリスクオンが進展。
11/10(火) 24,905.59 +65.75 新型コロナ向けワクチンが治験で90%の有効性を示し、米国株高。日経平均も買い先行。
  • ※日経平均株価データ、各種資料をもとにSBI証券が作成。

図1 日経平均株価(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

  • ※当社チャートツールをもとにSBI証券が作成。データは2020/11/10取引時間中。

図2 NYダウ(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは米国時間2020/11/9現在。

図3 ドル・円相場(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは2020/11/10取引時間中。

表2 当面の重要スケジュール

月日(曜日) 国・地域 予定内容 ポイント
11/11(水) 日本 10月マネーストック  
    10月工作機械受注
    ★決算発表 大和ハウス、ENEOS、三菱地所、大成建設、東芝
  中国 大規模ネット通販セール「独身の日」
11/12(木) 日本 9月機械受注  
    9月都心オフィス空室率
    ★決算発表 楽天、ブリヂストン、日産自、三井トラスト、住友不、みずほFG
  米国 10月消費者物価
    10月財政収支
    「TikTok」の利用全面禁止措置の期限
    ☆決算発表 アプライド・マテリアルズ、シスコシステムズ、ディズニー
11/13(金) 日本 ★決算発表 大塚HD、日本郵政、SMC、ゆうちょ、三菱UFJ、三井住友
    オプションSQ
  米国 10月生産者物価
    11月ミシガン大学消費者マインド指数
11/16(月) 日本 7-9月期GDP速報値  
    ★決算発表 リクルート
  中国 10月工業生産
    10月小売有上高
    10月都市部固定資産投資
  米国 11月NY連銀製造業景気指数  
11/17(火) 米国 10月小売売上高
    10月輸出入物価
    10月鉱工業生産・設備稼働率
    11月NAHB住宅市場指数
    9月対米証券投資
11/18(水) 日本 10月貿易統計  
    10月訪日外客数
  米国 10月住宅着工件数
    10月建設許可件数
11/19(木) 日本 10月首都圏新築マンション発売  
    ★決算発表 SOMPO HD、MS&AD、東京海上
  米国 11月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数
    10月中古住宅販売件数
11/20(金) 日本 10月消費者物価  
  - APEC首脳会議(オンライン形式)
11/21(土) - G20サミット(〜22日オンライン形式)  
  • ※各種報道、日米欧中銀WEBサイト等をもとにSBI証券が作成。「予想」は市場コンセンサス。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合があります。

表3 日米欧中央銀行会議の結果発表予定日(月日は現地時間)

  2020年 2021年
日銀金融政策決定会合 12/18(金) 1/21(木)、3/19(金)、4/27(火)、6/18(金)、7/16(金)、9/22(水)、10/28(木)、12/17(金)
FOMC(米連邦公開市場委員会) 12/16(水) 1/27(水)、3/17(水)、4/28(水)、6/16(水)、7/28(水)、9/22(水)、11/3(水)、12/15(水)
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 12/10(木) 1/21(木)、3/11(木)、4/22(木)、7/22(木)、9/9(木)、10/28(木)、12/16(木)
  • ※日米欧中銀WEBサイトを基にSBI証券が作成。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合があります。 なお、ECB理事会は金融政策の議論・決定を行う会合の日程のみ掲載しています。日付は日本時間(ただし、ECBの結果発表日程は現地時間)を基準に記載しています。

2日本株は「大相場」に発展?

激戦州での集計が長引き、最後までもつれていた米大統領選挙ですが、接戦をものにしたバイデン氏が米国時間11/7(土)に勝利を宣言し、2021/1から米国の第46代大統領に就任する予定となりました。

この米大統領選挙の投開票日を含む11月第1週(11/2〜11/6)、国内外の株式市場は上昇基調となりました。NYダウは週間で6.9%、日経平均株価は5.9%それぞれ上昇しましたが、単純にバイデン氏の当選を好感したということではなさそうです。

米国株は一時、トランプ氏が優勢となる場面でも上げ、民主党が上下院も取る可能性が出た場面でも上昇し、大統領・下院と上院がねじれる可能性が拡大(決着は2021/1の見込み)と報じられた場面でも上げていました。なお、統計的には大統領が共和党でも民主党でも株価のパフォーマンスに差はなく、議会については上下院でねじれている方が株価が高いという経験則もあるようです。したがって、米大統領選挙のスケジュールが進捗するにつれ、株式市場はイベントリスク後退を織り込む形で、上昇したと考えられます。

バイデン氏が勝利宣言を行ったことで、株式市場においてはリスクを取る動きが続くことが想定されますが、すでにバイデン氏の勝利を織り込んだ動きもあり、短期的には利益確定売りが増えやすい傾向にあるとも思われます。ただし、日経平均株価は2018年以降3回トライして跳ね返されてきた水準を上回り、およそ29年ぶりの高値を回復したことから、今後も過剰流動性を味方に堅調に推移する可能性もあります。

2018年以降3回も跳ね返されてきた水準を突破してきたことで、チャート的には日経平均株価が「大相場」に発展してきたように思われます。日経平均株価は1989年末に過去最高値38,915円を付けた後下がり始め、1999/11に25,000円近辺にいたので、ここから上の水準での滞留期間は比較的短いと思われます。言い換えれば、上値のしこりは少ないとみられ、相場が大きく跳ねやすい局面になってきたと思われます。日本経済がここから回復局面を指向していることや、低金利が持続しそうな投資環境等を考えると、上昇局面はまだ続く可能性が大きいとみられます。

年末から年初にかけては、日経平均株価が1991/3の高値水準である27,000円近辺に上昇する可能性もありそうです。ただ、日経平均株価は11/4(水)および11/9(月)に窓を開けて上昇したので、過熱感も出てきました。11/10(火)の取引開始後に付けた高値25,279円で引けた場合、日経平均株価の25日移動平均かい離率は6.8%まで上昇してきます。短期的にはいったん下げても不思議ではない条件が出てきたようです。

表4 日経平均株価(日足)とおもな出来事

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。吹き出しのコメントはSBI証券作成。
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