前営業日トピックス
東京市場では、序盤に大幅下落となった日経平均株価が下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。午後に入り、日経平均株価がプラス圏を回復したことから、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。ただ、上昇一服後はやや上値の重い動きとなり、欧州時間まで上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された第2四半期の米GDP、個人消費の改定値がともに上方修正されたことを受けて、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。その後に米金利が失速したことや、ロンドン・フィキシングにかけてドル売り・円買いが優勢になったことから、ドルは下落となり、さらに主要株価指数が軒並み上げ幅を縮小したことも、ドル円・クロス円の圧迫要因となった。
米株式市場では、4-6月期の米GDP改定値や個人消費が上方修正されたことを受けて、米景気への懸念が和らいだことで主要株価指数は買いが優勢となった。ただ、米長期金利が8/19以来の高水準まで上昇したことや、前日引け後に決算を発表した半導体大手の株価が大幅下落となったことも加わり、終盤には上げ幅を縮小する動きとなった。 ダウ平均は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比486ドル高まで上昇した。その後は上げ幅を縮小する動きとなり、243.63ドル高(+0.59%)で終了。一方、ナスダックは終盤にマイナス圏まで下落し、39.60ポイント安(-0.23%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、海外市場の引け後に発表された米半導体大手エヌビディアの決算発表を受けて、米株価先物が下落したこともあり、ドルは序盤から軟調な動きとなった。その後、前日比400円超下落した日経平均株価が67円安まで下げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の144.54から144.21まで下落したものの、その後は144.70まで上昇した。一方、ニュージーランドの企業信頼感が前回結果を大幅に上回り、2014年5月以来の高水準となったことを受けて、NZドルは主要通貨に対して大幅上昇となった。
(2)午後に入り、日経平均株価がプラス圏を回復したことから、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。ただ、上昇一服は株価も伸びを欠いたこともあり、上値の重い動きとなった。そして、欧州時間でも上値の重い動きが続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された第2四半期の米GDP改定値が速報値の2.8%から3.0%に上方修正されたことや、新規失業保険申請件数が市場予想の23.2万件を下回る23.1万件と強い結果となったこと受けて、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の144.54から145.55まで上昇したが、その後に米金利が失速したことや、ロンドン・フィキシングにかけてドル売り・円買いが優勢になったことから、ドル/円は144.73まで下落した。さらに、終盤にかけてナスダックがマイナス圏まで下落するなど、主要株価指数が軒並み上げ幅を縮小したことも、ドル円・クロス円の圧迫要因となった。
本日のトピックス
本日の米国市場では、FRBがインフレ指標の目安にしている7月のPCEコア・デフレーターの発表が予定されており、結果が注目されている。前年比ベースでは、前回からの伸び幅の拡大が見込まれている。
9月のFOMCでは、0.25%の利下げが予想されているが、PCEコア・デフレーター市場予想を下回る場合には3年4ヵ月ぶりの低水準となる。その場合、FOMCでの利下げ幅が0.50%になるとの見方もある。さらに、前日の発表された第2四半期の米GDP改定値が速報値から上方修正され、米経済の堅調さが示される結果となったこともあり、利上げ幅の拡大の可能性が広がっている。そのため、9月の利上げ幅を見極める上で結果に注目したい。
8/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
7月PCEコア・デフレーター(前年比)
個人消費支出(Personal Consumption Expenditure)の名目PCEを実質PCEで割ったもの。PCEデフレーターから、価格変動が激しい食品とエネルギーを除いたものがPCEコアデフレーターであり、米国のFRBが金融政策を判断する上で重視している物価指標。消費者物価指数と比較されるが、PCEデフレーターはより調査対象が広いことから、物価動向を反映しやすいとされている。
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2.7% | 2.6% |
前回は、市場予想を上回り、一方で個人消費の堅調さが示された。今回も小幅上昇が予想されているが、予想外の低下となる場合には、FRBの利下げ観測が高まる可能性もあり、結果に注目したい。 | ||||
23:00 | 米国 |
8月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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68.0 | 67.8 |
前回の速報では、市場予想を上回り、5ヵ月ぶりの上昇となった。現況指数は5ヵ月連続の低下、期待指数は4ヵ月ぶりの高水準となり、現状に対する懸念が高まっていることが示された。今回は小幅上方修正が予想されており、景気の楽観的な見通しが維持されるのか注目したい。 |