前営業日トピックス
東京市場では、米長期金利の上昇や実需のドル買いなどもあり、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、300円超下落した日経平均株価がプラス圏まで改善したことからドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。その後の欧州時間では、ドル買いが優勢となり、ドルは一段の上昇となった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が軒並み市場予想より弱い結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落した。下げ一服後は低下していた米金利が上昇に転じたことから、終盤にかけてドルは堅調な動きとなった。また、欧米の主要株価指数が上昇したことでリスク選好の動きも加わり、クロス円も堅調な動きとなった。
米株式市場では、欧州主要株価指数が引き続き堅調な動きとなったことや、序盤に発表された米経済指標の結果を受けて、FRBの早期利下げ開始への期待感を背景に主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ただ、前日まで7日連続で最高値を更新していたナスダックは、利益確定の動きに押され反落となった。 ダウ平均は、下落して始まり、一時56ドル安まで下落したもののその後は堅調な動きが続き、終盤に397ドル高まで上昇した。ただ、終盤に上げ幅を縮小して299.90ドル高(+0.77%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、140.64ポイント安(-0.79%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。日経平均株価が序盤から前日比270円超下落したものの、時間外取引で米長期金利が上昇したことや、五・十日で実需のドル買いが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の157.85から158.11まで上昇した。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を縮小し、プラス圏まで上昇したことや、米長期金利の上昇が続いたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きが続き、ドル/円は一時158.19まで上昇した。その後、欧州時間ではドル買いが優勢となり、対円では158.47まで上昇し、ドル/円の上昇に連れてクロス円も堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が23.8万件(予想23.5万件)、5月の米住宅着工件数が127.7万件(予想137.5万件)、またフィラデルフィア連銀景況指数が1.3(予想4.8)となるなど、軒並み市場予想より弱い結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落した。ドル/円は、序盤の158.45から158.23まで下落したものの、下げ一服後は低下していた米金利が上昇に転じたことから、終盤にかけて158.94まで上昇した。さらに、欧米の主要株価指数が上昇したことでリスク選好の動きも加わり、クロス円も堅調な動きとなった。特に、オセアニア通貨は一時上げ幅を拡大、豪ドル/円は105.91まで上昇して2007年11月以来の高値、NZドル/円は97.31と2007年7月以来の高値をそれぞれ更新する場面もあった。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、冴えない米経済指の結果を受けて、FRBの年内の利下げ観測が意識され、米金利の低下とともにドルは軟調な動きとなった。ただ、その後米金利が上昇に転じてドルは堅調な動きとなったが、日銀の利上げ見送り、スイスやユーロ圏の利下げに対して、FRBの利下げ観測があるものの、早くても9月の利下げであることから、当面日米の金利差は維持されることや、対欧州では金利差が拡大したことから、ドル買いが優勢となったと見られる。ドル/円は、当初158円台近辺で上値の重い動きとなったものの、現状では159円台を伺う展開となっており、当面はドルの底固い動きが続く可能性も考えられる。
本日の米国市場では、6月の米製造業PMI、5月の中古住宅販売件数の発表が予定されており、前者は速報値であり、マーケットが敏感に反応する可能性もあることから、結果に注目したい。冴えない結果となった場合でも、現状のドルの底固さは維持されると見られている。
6/21の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
5月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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409万件 | 414万件 |
前回は市場予想に反して減少となり、2ヵ月連続のマイナスとなった。借り入れコストと住宅価格の高止まりが影響していることが示された。今回は、さらに減少が予想されており、予想通りの結果なら今年1月以来の低水準となる。特に、前月に過去最高を更新した住宅価格が落ち着いているのか注目される、 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、一目均衡表の基準線でサポートされた後は堅調な動きが続いており、現状では159円台まで上昇している。ここから更に一段の上昇となり、再び160円台乗せを目指す展開となるのか、上値の重い動きとなるのか注目されている。
目先の動きを見る上で注目されているオシレーターのMACDでは、両線が上向きとなっており、徐々に乖離幅も拡大しており、目先の堅調な動きを示唆する形状となっている。乖離幅の拡大が続いているうちは堅調な動きが継続すると考えられるが、乖離幅が縮小する場合には注意も必要となる。
一方、目先のトレンドを見極める上で注目されているパラボリックでは、堅調なトレンドが続いていることが示されている。赤い丸印と価格が接触する場合にはトレンドの転換と見ることができる。現状では、価格との乖離幅が拡大していることから、上昇トレンドは継続中と見られる。
このことから、目先堅調な動きが続くと予測される。目先のポイントは、160.117となり、ここを上抜ける場合には一段の上昇も考えらる。また、直近高値の157.707を上抜けたことによる上値目標の計算値は160.365と計算できる。
一方、下値のポイントは、サポートでもある157.707となり、ここを下抜ける場合には一段の下落も考えられる。