前営業日トピックス
東京市場では、ドル/円が序盤に153円台まで上昇したものの、日本政府・日銀の円買い介入への警戒感や、日経平均株価が序盤から大幅下落となったことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。欧州時間では、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いたものの、上昇一服後はやや上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された3月の米生産者物価指数が市場予想を下回ったことを受けて、米金利の低下とともにドルは主要通貨に対して下落した。ただ、依然としてFRBの利下げ開始が後ずれするとの見方も根強く、さらに米長期金利が上昇したことから、ドル/円も一時153.32まで上昇して1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新した。
米株式市場では、発表された3月米生産者物価指数が予想を下回ったことを受けて低下していた米金利が上昇に転じたことから、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。その後は、ここまでダウ平均の下落が続いたことで割安感の出た株に買いが入ったことが全体を押し上げた。ただ、ダウ平均は引けにかけて失速して小幅安で終了、一方半導体株に買いが集まったことで、ナスダックは堅調な動きが続き、終値ベースの最高値を更新した。ダウ平均は、序盤から軟調な動きとなり、前日比264円安まで下落した。その後は、上昇に転じて一時137ドル高まで上昇したものの、引けにかけて失速して2.43ドル安(-0.01%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、271.84ポイント高(+1.68%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤にドル/円は153円台乗せとなり、1990年6月以来の153円台乗せとなった。しかし、神田財務官が「行き過ぎた動きにはあらゆる手段排除せず適切な対応」と発言したものの、反応は限定的だった。さらに、日経平均株価が序盤から大幅下落となり、一時前日比516円安まで下落したことも圧迫要因となり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(2)その後は、日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、米長期金利が高止まりしたことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなったが、新規材料に乏しく値動きは限定的となった。ただ、日本の株式市場の終了後は米長期金利がジリ高となったことから、ドル/円もこの日の安値の152.76から153.06まで上昇した。しかし、上昇一服後は上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された3月の米生産者物価指数が前月比で市場予想の0.3%を下回る0.2%、前年比では市場予想の2.2%を下回ったことを受けて、米金利の低下とともにドルは主要通貨に対して下落した。ドル/円は、前月からの上振れなどもあり、発表直前の153.04から153.19まで上昇したものの、その後は152.79まで下落した。ただ、依然としてFRBの利下げ開始が後ずれするとの見方も根強く、さらに米長期金利の指標となる米10年債利回りが反発して昨年11/14以来の高水準となる4.588%台まで上昇したことから、ドル/円も一時153.32まで上昇して1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新した。ただ、高値更新後は終盤まで上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
本日の米国市場では、3月の輸入物価指数、ミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されているが、マーケットでは市場予想から大幅に乖離する結果とならなければ、反応は限定的と見られている。
今週は、3月の米消費者物価指数の影響で、約3週間続いたレンジから上抜けとなるなど大きな動きとなったことに加え、週末を控えていることもあり、積極的に動き難い状況と考えられる。また、ドル/円はここから更に一段の上昇とは考え難く、上昇する場合には一層政府・日銀の介入警戒感が強まると考えられる。
当初、先の3週間では、152円台での介入警戒感が強まったことで上値の重い動きが続いたことから、当局のアクションやより強い牽制がなければ、消費者物価指数の様にインパクトの強い材料が入るまでは、前回と同じようにここから上値の重い動きが続く可能性も考えられる。
4/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
4月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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79.0 | 79.4 |
前回は市場予想を上回り、2021年7月以来の高水準となった。現況指数、期待指数ともに2021年7月以来の水準に改善し、インフレ鈍化が継続するとの楽観的な見方が押し上げ要因となった。今回は、前月から小幅低下が予想されているが、2年半ぶりの高水準が維持されると見られている。 |