前営業日トピックス
東京市場では、重要なイベントを控えて様子見ムードも強まっており、ドル円・クロス円は限定的な動きが続いた。特に、ドル/円は上下20銭の狭いレンジ内の動きとなった。また、欧州時間に入っても限定的な動きとなり、ドル/円は上下20銭以内の動きが続いた。
米国市場では、序盤から米長期金利の低下を受けてドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米経済指標が軒並み冴えない結果となったことも加わり、ドルは一段の下落となった。下げ一服後は米長期金利がやや持ち直したことから値を戻す場面もあったが、終盤にかけて米主要株価指数が下落を受けてリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は再び軟調な動きとなった。
米株式市場では、中国でiPhoneの販売が低迷との報道を受けて、アップル株が大幅下落となったことが全体を押し下げた。さらに、パウエルFRB議長の議会証言を控えてポジション調整の動きが出たことも影響し、主要株価指数は大幅下落となった。 ダウ平均は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比532ドル安まで下落した。引けにかけて下げ幅を縮小し、404.64ドル安(-1.04%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、267.92ポイント安(-1.65%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、6日のパウエルFRB議長の議会証言や週末の米雇用統計を控えて積極的な売買が手控えられ、ドル/円は上下20銭の狭いレンジ内の動きが続いた。さらに、時間外取引で米長期金利が低下したことが影響した。また、欧州通貨や資源国通貨も狭いレンジ内の動きとなった。
(2)午後に入っても限定的な動きが続き、米長期金利が低下に転じたものの、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
(3)米国市場では、米長期金利の低下とともに、序盤からドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、2月の米ISM非製造業景況指数が市場予想の53.0を下回る52.6となったことや、製造業受注指数も市場予想の-2.9%を下回る-3.6%となったことも加わり、ドルは一段の下落となった。ドル/円は、序盤の150.39から149.71まで下落した。
(4)下げ一服後は米長期金利がやや持ち直したことから150.23まで値を戻した。しかし、終盤にかけて米主要株価指数が下げ幅を拡大したことからリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は再び軟調な動きとなり、ドル/円は再び149.84まで下落した。
本日のトピックス
本日の米国時間では、2月の米ADP雇用統計の発表が予定されており、週末の米雇用統計を予想する上で参考にされることから、結果に注目したい。ただ、このところ米雇用統計との乖離が目立っていることから、あくまで参考程度と見る向きも多く、反応はやや限定的か。一方、パウエルFRB議長の議会証言も予定されており、金融政策に関するヒントが示されるとの見方もあり、議会証言(日本時間0時頃)までは積極的な売買が見送られる可能性も考えられる。
3/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:15 | 米国 |
2月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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15.0万人 | 10.7万人 |
前回は市場予想を下回り、2ヵ月ぶりの低水準となり、6ヵ月平均は12.5万人と、前6ヵ月平均の28.7万人から半減するなど、労働市場の鈍化傾向が示された。大手企業の人員削減が影響しており、今後の統計にも影響すると見られている。今回は、前月から伸び幅の拡大が予想されており、一旦改善が見込まれている。 | ||||
0:00 | 米国 |
1月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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889.0万件 | 902.6万件 |
前回は市場予想を上回り、3ヵ月ぶりの高水となった。ただ、離職者数が約3年ぶりの低水準に落ち込むなど、労働者の慎重姿勢が強まっていることが示された。今回は、前月から減少が予想されているが、特に景気後退への懸念から離職者数の減少が続くことも予想されており、結果に注目したい。 |