前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことから、ドルは主要通貨に対して下落となり、ドル/円は前日安値の148.76を下抜けて下げ幅を拡大した。午後には下げが一服し、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。さらに、欧州時間にかけて米長期金利が上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が良好な結果となったことを受けて、米金利の上昇とともにドルは堅調な動きとなった。ドル/円は、一時149円台を回復したものの、米金利が低下に転じたことから、ドルの上昇は一時的となった。さらに、FRB高官が「労働市場と物価の減速が続けば金利据え置きは可能」との見解を示したことも加わり、ドル/円は148.31まで下落した。
米株式市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が市場予想を下回り、労働市場の堅調さが示されたことから、FRBの金融引き締め長期化への警戒感から主要株価指数は売りが優勢となった。ただ、その後は上昇していた米長期金利が低下に転じたこともあり、下げ幅を縮小する動きとなった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比187ドル安まで下落した。ただ、その後は堅調な動きとなり、一時プラス圏を回復する場面もあったが、9.98ドル安(-0.03%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、16.17ポイント安(-0.12%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。日経平均株価が序盤から260円超の上昇となったものの、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドルは主要通貨に対して下落となり、ドル/円は149.04から148.26まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上昇したものの、対円ではドル/円の下落に連れて軟調な動きとなった。
(2)午後に入り、ドル円・クロス円の下げが一服し、日経平均株価が上げ幅を拡大して前日比557円高まで上昇したことや、米長期金利が持ち直したことから、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなり、ドル/円は148.75まで値を戻した。さらに、欧州時間では米長期金利の上昇も加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が市場予想の21.0万人を下回る20.7万人と良好な結果となったことを受けて、米金利の上昇とともにドルは堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の148.82から149.11まで上昇したものの、米金利が低下に転じたこともあり、ドルの上昇は一時的となった。さらに、サンフランシスコ連銀総裁が「金利の据え置きは積極的な政策措置」とし「労働市場と物価の減速が続けば金利据え置きは可能」との見解を示したことも加わり、米長期金利の低下とともにドル/円は一時148.31まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで堅調な動きとなったことから、対円でも底固い動きとなり、終盤にかけでは堅調な動きとなった。
本日のトピックス
今晩発表される米雇用統計の結果発表を控えて様子見ムードが強まっており、発表までは限定的な動きが続くと見られている。非農業部門雇用者数は、市場予想で前月の結果から伸び幅の縮小が予想されているものの、目先の雇用状況を見る上で注目されている新規失業保険申請件数(雇用統計の集計期間と同期間のデータ)では、申請件数が前月から低下(改善)している。2つのデータは、直近の6ヵ月間で方向性が一致していることから、今回の非農業部門雇用者数は前月から伸び幅が拡大する可能性も考えられる。
ただ、今年の非農業部門雇用者数は、いずれも速報値から下方修正されていることから、前月結果の18.7万人からの修正にも注目したい。特に、速報の結果以外に、修正幅が大きくなる場合にはマーケットへの影響も大きくなることから、過去2ヵ月分の修正幅にも注目したい。
雇用統計が良好な結果となる場合には、FRBの追加利上げ期待が高まり、ドルが買われる動きが予想されるが、10/3日の大幅な下落(為替介入との思惑が高まったが、関係者がノーコメントで介入かどうかは不明)があったことから、150円に近づく展開となる場合には、上値に対する警戒感が強まり、値動きが荒くなる可能性も考えられることから注意が必要だろう。一方、冴えない結果となった場合にはドルの下振れが予想されるが、依然として日米の金利差拡大観測が根強いことから、3日に下振れとなった安値の147.30近辺では、前回同様に値頃感の買い戻しの動きも予想される。
10/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
9月非農業部門雇用者数 ![]()
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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17.0万人 | 18.7万人 |
前回は市場予想を上回る伸びとなり、堅調さが示された。ただ、失業率が悪化したことや、過去2ヵ月分が11万人下方修正されたことから、ドルは下落となった。今回は、前月結果から伸び幅の縮小が予想されているが、一部では伸び幅の拡大を予想する向きもある。また、過去分の修正にも注目したい。 |