前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。その後、米長期金利が上昇したことからドル/円は堅調な動きが続き、一時147.87まで上昇して11/4以来の高値を更新した。ただ、その後は米金利が低下したこともあり、上値の重い動きとなった。一方、ユーロ圏の経済指標が冴えない結果となったことを受けてECBの追加利上げ観測が後退したことから、ユーロはドルや円に対して軟調な動きが続いた。
米国市場では、序盤からドル円・クロス円は軟調な動きとなった。しかし、米新規失業保険申請件数、非農業部門労働生産性が良好な結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ただ、その後は上昇していた米長期金利が低下に転じたことから、ドルは主要通貨に対して下落となり、ドル/円も底固い動きとなった。
米株式市場では、インフレの高止まり観測を背景に、FRBによる利上げ長期化懸念が根強く、主要株価指数は軟調な動きとなった。ただ、前日まで下落が続いたことから値頃感の買い戻しも入り、ダウは底固い動きが続いた。一方、中国当局がアップル製品への規制拡大を検討との報道もあり、ハイテク株中心のナスダックはマイナス圏での推移が続いた。ダウ平均株価は、序盤に前日比92ドル安まで下落したものの、その後はプラス圏を回復して底固い動きが続き、57.54ドル高(+0.17%)で終了。一方、ナスダックは123.64ポイント安(-0.89%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。時間外取引で米長期金利が上昇したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の安値147.56から147.87まで上昇して昨年11/4以来の高値を更新した。その後、新規材料に乏しい中、上昇していた米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は147.52まで下落した。
(2)午後に入り、低下していた米長期金利が再び上昇に転じたことから、ドルは堅調な動きとなったものの、上値は限定的だった。また、日経平均株価が下げ幅を拡大したことから、クロス円も軟調な動きが続いた。また、ユーロ圏の第2四半期GDP確報が速報から予想外の下方修正となったことを受けて、ECBの追加利上げ観測が後退との思惑が広がり、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州時間から米長期金利の低下が続いたことや、欧州主要株価指数が下落に転じて下げ幅を拡大したことが影響して、序盤からドル円・クロス円は軟調な動きとなった。しかし、米新規失業保険申請件数が市場予想の23.3万人を下回る21.6万人となり、非農業部門労働生産性が3.5%と市場予想の3.4%を上回るなど良好な結果となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は序盤の安値147.22から147.62まで上昇した。ただ、その後は上昇していた米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.303%から4.242%まで低下るなど、米金利が軒並み低下に転じたことから、ドルは主要通貨に対して下落となり、ドル/円も一時147.04まで下落する場面もあった。一方、冴えない経済指標が結果を受けてECBの追加利上げ観測が後退したとの見方から下落が続いたユーロは、対ドルでは6/7以来の安値を更新した。
本日のトピックス
米経済指標が良好な結果となったことや、FRBの追加利上げ観測が根強いことから、昨晩のドルは底固い動きとなった。ただ、政府・日銀の介入警戒感も根強いことから、上値も限定的となっている。その中で、当局者の発言に敏感に反応する場面もあり、神経質な展開続いている。マーケットでは、年内のFRBの追加利上げの有無を見極めるデータとして、13日の米消費者物価指数の結果が注目されている。
本日の海外市場では、ドイツの消費者物価指数の発表が予定されており、昨日発表されたユーロ圏のGDPが冴えない結果となったこと受けて、ECBの追加利上げ観測が後退してユーロが下落していることから、ドイツの消費者物価指数の結果も注目されている。米国市場では、主要な経済指標の発表がないことや、週末であることから、限定的な動きも予想されている。ただ、複数の米当局者の発言が予定されており、発言の内容次第では動きが出る可能性も考えられる。