前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の株安を受けて、日経平均株価が序盤から大幅な下落となるなど、アジア株が軒並み下落したことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の144.64から143.55まで下落した。その後は下げ一服となり、値を戻す動きが見られたものの、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円は再び軟調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された雇用関連やサービス関連の経済指標が良好な結果となり、FRBの追加利上げ観測が強まったことから、ドルも主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は一時144.65まで上昇したものの、上昇一服後は米雇用統計の発表を控えていることや、米主要株価指数の下落も加わり、終盤までドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、アジアや欧州市場の主要株価指数が大幅下落したことや、米経済指標が良好な結果となったことでFRBの利上げ長期化観測が強まり、金利上昇に伴う米景気後退を懸念した売りが優勢となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比517ドル安まで下落した。その後は下げ幅を縮小し、366.38ドル安(-1.07%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、112.61ポイント安(-0.82%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の堅調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比480円超下落したことも影響した。その後、仲値公示にかけて実需のドル売りが観測されたことも影響した。ただ、仲値通過後は円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は値を戻す動きも見られた。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大し、一時700円超下落したことからリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は一段の下落となった。ドル/円は、序盤の144.64から143.55まで下落し、6/27以来の安値となった。
(3)下げ一服後、値頃感の買い戻しや、米金利が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は値を戻す動きとなった。ただ、ドルの上値は限定的となり、その後は主要通貨に対して上値の重い動きとなった。米国市場では、序盤に発表された6月のADP雇用統計が市場予想の22.5万人を大幅に上回る49.7万人となったことを受けて、FRBの追加利上げ観測が強まり、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.957%から4.081%まで上昇し、3/2以来の高水準を付けるなど、米金利が軒並み上昇したことからドルも主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、6月の米ISM非製造業景況指数が市場予想の51.2を上回る53.9となったことも加わり、ドルは一段の上昇となった。
(4)上昇一服後は、翌日に米雇用統計の発表を控えていることや、米主要株価指数の下落も加わり、終盤までドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。ドル/円は、序盤の安値143.64から144.65まで上昇したものの、その後は143.96まで下落した。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、ADP雇用統計が市場予想を大幅に上回る結果となり、労働市場の堅調さが示された。また、ISM非製造業景況指数も良好な結果となったことでFRBの利上げ観測が高まり、米金利が上昇したこともドルの押し上げ要因となった。
本日の米国市場では、米雇用統計の発表が予定されており、発表までは限定的な動きが予想されている。注目される非農業部門雇用者数は、伸び幅が前月から大幅に縮小すると予想されているが、ADPの結果を踏まえると予想は難しくなっている。
良好な結果となれば、ドルの押し上げ要因となる可能性もあるが、145円台に近付くの水準では、円買い介入への警戒感が強まることも予想され、上値を圧迫する可能性も考えられる。一方、冴えない結果となる場合には、ドルの下振れとなる可能性も考えられるが、143.50近辺でFRBの追加利上げに伴う日米の金利差拡大観測から底固い動きも予想されている。
7/7の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
6月米雇用統計(非農業部門雇用者数)
雇用統計は、米国の失業率と就業者数を中心に雇用に関する10数項目が発表され、米国の雇用情勢、経済状況を示す重要な経済指標である。特に、非農業部門の雇用者数が重視されていることから注目されている。なお、雇用統計は、個人所得や個人消費の動向にも影響を与え、米国の経済・金融政策を決定する上で、FRBが金融政策の判断材料としても参考にしている。
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22.5万人 | 33.9万人 |
前回は、非農業部門雇用者数が市場予想の+19.5万人を大幅に上回る+33.9万人となり、1月以来の高い伸びとなった。専門職やビジネスサービス、ヘルスケア、政府部門で伸びたことが影響した。一方、失業率は予想の3.5%を上回る3.7%に悪化した。今回は、前月から雇用者数の伸び幅が大幅に低下すると見られており、予想通りの結果となるのか注目されている。 |