前営業日トピックス
東京市場では、日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えて様子見ムードも強く、ドル円・クロス円は序盤から小動きとなった。その後、日経平均株価が下落して始まり、前日比298円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。そして、日銀が金融政策決定会合で大規模緩和の維持を発表したことを受けて、円売りが優勢となった。さらに、植田日銀総裁の会見での発言を受けて、円売りが加速した。
米国市場では、アジア時間からの流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円序盤から堅調な動きとなった。その後に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数では、1年先の期待インフレ率が大幅に低下したことを受けてドルは一時下落した。しかし、その後は米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが優勢となり、再びドルは堅調な動きとなった。ドル/円は序盤の安値の140.92から141.90まで上昇し、昨年11/22以来の高値を更新した。
米株式市場では、序盤か堅調な動きとなったが、FRB高官のタカ派発言を受けて、FRBによる利上げの長期化観測が再燃し、景気の先行きへの警戒感から売りが優勢となった。さらに、3連休を控えたポジション調整の売りが出たことも圧迫要因となった。ダウ平均は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比180ドル高まで上昇した。しかし、その後は下落に転じて軟調な動きが続き、108.94ドル安(-0.32%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、93.25ポイント安(-0.68%)で終了し、7営業日ぶりの反落となった。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から上値の重い動きとなった。また、日経平均株価が下落して始まったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、日銀の金融政策決定会合で金融政策の現状維持を発表したことで、金利差拡大観測から円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の安値139.85から140.77まで上昇した。
(2)午後に入り上昇一服後なり、ドル/円は140円台後半では上値の重い動きとなり、一時下落する動きとなったものの、下値も限定的だった。その後は、日本と欧米の金融政策の違いが意識されたことや、植田日銀総裁が会見で「2%物価安定目標の達成にはなお時間がかかる」とした上で、「粘り強く緩和策を継続」との考えを示したこともドル円・クロス円の押し上げ要因となった。
(3)米国市場では、日銀の大規模な金融緩和策が維持されたことを受けて円売りが優勢となったアジア時間からの流れを受けて、ドル円・クロス円序盤から堅調な動きとなった。その後、ミシガン大学消費者信頼感指数の速報値が市場予想の59.2を上回る63.9となったものの、1年先の期待インフレ率が前回の4.2%から3.3%と大幅に低下したことに反応し、ドルは一時下落した。しかし、すぐに持ち直し、その後は米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いが優勢となり、再びドルは堅調な動きとなった。ドル/円は序盤の140.94から141.23まで上昇後、一時140.92まで下落したものの、終盤にかけて141.90まで上昇し、昨年11/22以来の高値を更新した。一方、ユーロ/円は2008年9月以来、ポンド/円は2015年12月以来の高値を更新した。
本日のトピックス
今週、21日-22日に米議会でパウエルFRB議長の議会証言が予定されており、FOMCのドットチャートで年内2回の利上げ予想が示されたことに関してどのような見解を示すのか注目されている。そして、欧米の追加利上げ観測が高まる中で、日銀が金融緩和策の継続を示したことで、日米欧の金利差拡大観測を背景に円売りが続く可能性も考えられる。
ただ、円売り続く場合には、日本政府・日銀による円買い介入への警戒感が高まる可能性もあり、上値は限定的との見方もある。ドル/円では、前回介入時の145円台までの上昇には警戒感が根強い。さらに、そこまで牽制などがないとも考え難く、先週も財務相の発言などもあったことから、目先は142.50近辺が上値のポイントと見られており、この近辺で底固い動きが見られる場合には、その後さらに一段の上昇も考えられる。
本日の米国は、ジューンティーンスの祝日のため、主要市場が休場となることから、限定的な動きが予想されており、パウエルFRB議長の議会証言までは積極的に動きにくいと考えられる。
6/19の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
6月NAHB住宅市場指数 ![]()
NAHB住宅市場指数は、全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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51 | 50 |
前回は市場予想を上回り、昨年7月以来の高水準となり、10ヵ月ぶりに判断基準となる50を回復した。中古住宅の在庫不足を背景に、需要が新築住宅に向かっていることが要因との指摘もあった。今回は、さらに上昇が予想されており、改善の傾向が示されるのか注目されている。 |