前営業日トピックス
東京市場では、大手格付け会社が米国を格下げの可能性との報道を受けて、ドルは下落となり、クロス円も連れ安となった。ただ、その後は、下落して始まった日経平均株価が上昇に転じて200円超の上昇となったことや、五・十日に伴う実需のドル買いが観測されたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、139.70まで上昇して11/30以来の高値を更新した。ただ、午後に入り上昇一服となり、欧州市場にかけてドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米国市場では、良好な米経済指標の結果を受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、米金利が軒並み上昇したことから、ドル/円も一時140.23まで上昇し、昨年11/23以来の140円台乗せとなった。一方、南ア中銀が予想通り0.50%の利上げを決定したものの、ハト派的な声明を受けてランド売りが優勢となり、対ドルで史上最安値を更新した。
米株式市場では、依然として米債務上限問題を巡る協議の進展が見られないことが材料視され、ダウは序盤から軟調な動きとなった。ただ、終盤には一時プラス圏を回復する場面もあったが、小幅安で終了。一方、半導体大手の四半期決算が良好な結果となったことを好感して、ナスダックは序盤から堅調な動きが続いた。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、前日比213ドル安まで下落した。その後は上昇に転じて一時70ドル高まで上昇したものの、終盤に再びマイナス圏に落ち込んで35.27ドル安(-0.11%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、213.93ポイント高(+1.71%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、米国の債務上限問題を巡る協議が難航していることを受けて、大手格付け会社が米国の「AAA」格付けを「ウォッチネガティブ」の対象としたとの報道を受けてドルは一時下落となり、ドル/円は序盤の139.47から138.84まで下落した。下げ一服後は、値を戻す動きとなり、また下落して始まった日経平均株価が上昇に転じて前日比200円超上昇したことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が堅調な動きを維持したことや、米金利がさらに上昇したことからドルは堅調な動きとなり、ドル/円は139.70まで上昇して昨年11/30以来の高値を更新した。ただ、その後は上値の重い動きとなり、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで軟調な動きとなり、対円でも上値の重い動きが続いた。
(3)米国市場では、新規失業保険申請件数が市場予想を下回り、さらに前週の結果が大幅に下方修正されたことや、1−3月期の米GDP改定値が速報値から上方修正されたことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。加えて、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3/9以来の高水準まで上昇するなど、米金利が軒並み上昇したことから、ドル/円も序盤の139.19から140.23まで上昇し、年初来高値を更新するとともに昨年11/23以来の140円台乗せとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、ドル/円の上昇に連れて対円で堅調な動きとなった。ただ、南ア中銀が予想通り0.50%の利上げを決定したものの、「ランドは一段安になる公算が大きい」との声明を受けてランド売りが優勢となり、ランドは主要通貨に対して下落した。特に、対ドルでは史上最安値を更新した。
本日のトピックス
米債務上限問題は、期限までには合意に達するだろうとの楽観的な見方に加え、米経済指標の良好な結果が続いており、FRBの利上げ継続観測が高まっていることから、昨日の海外市場では米金利上昇に伴いドルは堅調な動きとなった。米金利先物市場では、6月のFOMCで0.25%の利上げを約50%織り込む水準となっており、1週間前の18%から上昇している。
ドル/円は、半年ぶりに140円台に回復したが、本日の東京市場では、140円台を割り込む動きも見られており、140円台を維持して週末を迎えることができるかどうかで、来週の動きにも影響する可能性があることから、140円台を維持できるのか注目したい。
特に、来週月曜日は独英米市場が休場となることから、140円台を維持できれば来週も強気ムードの継続となるが、140円台を維持できなければ、高値警戒感から一旦調整となる可能性も考えられる。また、本日の米国市場では、米耐久財受注、ミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されており、良好な結果となる場合にはドルの押し上げ要因となる可能性もあり、結果に注目したい。
5/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
5月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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58.0 | 57.7 |
前回は市場予想を下回り、2022年11月以以来の低水準となった。ただ、5ー10年インフレ期待が予想外の加速となり、2011年3月以来の高水準となったことで、消費者の景気先行き不安が高まったことが要因となった。今回は、小幅上昇が予想されている伊賀、短期と長期のインフレ期待が低下するのか注目されている。 |