前営業日トピックス
東京市場では、10日に日銀金融政策決定会合や米雇用統計の発表を控えて、ポジション調整の動きが優勢となり、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。仲値公示近辺では、実需のドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は値を戻す動きが見られたものの、通過後には再び軟調な動きとなった。また、欧州時間では、序盤から欧州主要株価指数が軒並み下落したこともあり、ドル円・クロス円は一段の下落となった。
米国市場では、米雇用統計などの発表を控えて様子見ムードが強く、全般的に限定的な動きとなった。ただ、序盤に発表された米失業保険申請件数が市場予想を上回ったことに反応して下振れとなる場面もあったが、下値は限定的だった。一方、前日に対ドルで大きく下落した欧州通貨は、対ドルで値を戻す動きが続き、対円でも堅調な動きとなった。
米株式市場では、米長期金利の低下を受けて、主要株価指数は買いが先行したものの、FRBによる利上げ長期化が米景気を圧迫するとの懸念も根強く、その後は下落に転じて下げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、前日比192ドル高まで上昇した。その後は下落に転じて下げ幅を拡大し、終盤に一時607ドル安まで下落した。引けにかけては下げ幅を縮小して543.54ドル安(-1.66%)で終了、終値ベースで昨年11/3以来の安値となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、237.64ポイント安(-2.05%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場終盤の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。10日予定の日銀金融政策決定会合や米雇用統計発表を控えてポジション調整の動きとの声も聞かれた。ただ、仲値公示にかけては実需のドル買い・円売りが観測されたことから、ドル円・クロス円は値を戻す動きも見られた。
(2)仲値通過後は再び円買いの動きが強まり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、欧州時間に入ると欧州主要株価指数が序盤から下落したことから、ドル円・クロス円は一段の下落となった。
(3)米国市場では、10日に日銀の金融政策決定会合の結果発表、米雇用統計の発表を控えて様子見ムードが強く、全般的に限定的な動きとなった。ただ、序盤に発表された雇用関連の米失業保険申請件数が市場予想を上回ったことにやや過敏に反応して、ドルは下振れとなる場面もあったが、下値は限定的だった。なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは、序盤の4.015%から3.891%まで低下したものの、ドル/円は135.95-136.48のレンジ内の動きが続いた。一方、前日に対ドルで大きく下落した欧州通貨は、対ドルで値を戻す動きが続き、対円でも堅調な動きとなった。
本日のトピックス
本日の日銀金融政策決定会合では、現状維持が予想されている。ただ、黒田日銀総裁にとって最後の会合であり、新体制に移行することから、一部で出口戦略を進めやすくするために、緩和縮小に踏み切のではないかとのとの見方もある。また、黒田総裁の最後の会見となることから、イールドカーブ・コントロールやマイナス金利の解除時期に関して言及するのではないかと警戒する見方もあり、発言内容に注目したい。
一方、米国市場では、米雇用統計の発表が予定されており、良好な結果となる場合には、利上げ加速の思惑が高まる半面、冴えない結果となる場合には、利上げペースの鈍化懸念が高まる可能性もあり、いずれの場合のドルなどの動きが出やすくなることから、結果を受けたマーケットの反応に注目したい。
3/10の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
2月非農業部門雇用者数
雇用統計は、米国の失業率と就業者数を中心に雇用に関する10数項目が発表され、米国の雇用情勢、経済状況を示す重要な経済指標である。特に、非農業部門の雇用者数が重視されていることから注目されている。なお、雇用統計は、個人所得や個人消費の動向にも影響を与え、米国の経済・金融政策を決定する上で、FRBが金融政策の判断材料としても参考にしている
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+22.5万人 | +51.7万人 |
前回は市場予想を上回る大幅な伸びとなり、労働市場の堅調さがが示された。今回は、前回の反動もあり、伸び幅の縮小が予想されているものの、+20万人を上回ると予想されており、引き続き堅調さが維持されると見られている。ただ、前回結果の修正幅が大きくなる可能性もあり、下方修正の場合には注意も必要だろう。 |