前営業日トピックス
休場明けの東京市場では、中国の経済活動再開への期待を背景に序盤から堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価が300円超上昇したことや、米長期金利の上昇も加わり、ドル円・クロス円は上げ幅を拡大した。ただ、上昇一服後は日経平均株価が上げ幅を縮小したこともあり、上値の重い動きとなった。欧州時間では、米長期金利が上げ幅を拡大したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円の上昇に連れてクロス円も堅調な動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。しかし、パウエル議長がこの日の討論会で金融政策に関して言及しなかったことが伝わると、ドル売りが優勢となった。ドル/円は、序盤の高値132.48から131.73まで下落したものの、米長期金利が再び上げ幅を拡大したことから、ドルは終盤まで底固い動きが続いた。
米株式市場では、この日の討論会でパウエルFRB議長が金融引き締めに積極的な姿勢を強めるとの警戒感があったが、金融政策に言及しなかったことから買い安心感が広がり、主要株価指数は堅調な動きとなった。ただ、12日に米消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードが強まっており、上値は限定的だった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなったものの、一時前日比95ドル安まで下落する場面もあった。しかし、その後は堅調な動きが続き、186.45ドル高(+0.56%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、106.98ポイント高(+1.01%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の軟調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。日経平均株価が序盤から上昇し、一時前週末比342円高まで上昇したことも押し上げ要因となった。さらに、時間外取引で米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は序盤の安値の131.58から132.21まで上昇した。ただ、上昇一服後は上昇していた米長期金利が低下したことや、日経平均株価が上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は131.38まで下落した。
(2)午後に入り再び堅調な動きとなり、ドル/円は132.03まで上昇したものの、上値は限定的だった。その後は、日米の金利差縮小を意識したドル売り・円買いが優勢となったが、米国時間にパウエルFRB議長の講演を控えて、タカ派的な姿勢が示されるとの見方を背景に米長期金利が上昇したことで、ドルは堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州時間の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。しかし、パウエルFRB議長が討論会で金融政策に関して言及しなかったことが伝わると、一転してドル売りが優勢となった。ドル/円は、序盤の高値132.48から131.72まで下落したものの、下げ一服後は3.563%まで低下していた米10年債利回りが3.637%まで再び上げ幅を拡大したことから、ドルは終盤まで底固い動きが続いた。
本日のトピックス
本日も海外市場では、主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい上、注目されている米消費者物価指数の発表を12日に控えていることから、様子見ムードが強まり限定的な動きが予想されている。ただ、米消費者物価指数の発表が近づくにつれてポジション調整の動きが活発になる可能性も考えられることから、欧州時間入りやロンドンフィキシング、ニューヨーククローズ近辺の動きには注意したい。