前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場でのFRB議長の発言を受けて米国の利上げペースが減速するとの見方からドルが軟調な動きとなった流れを引き継ぎ、序盤からドルは軟調な動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したものの、ドル/円の下落に連れて対円では軟調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された10月のPCEデフレーターが前月から低下したことから、利上げペースの後退観測が意識されドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。さらに、その後に発表された11月のISM製造業景況指数が予想以上の低下となったことを受けてドルは下げ幅を拡大した。ドル/円は、序盤の高値136.34から135.22まで下落して8/18以来の安値を付けた。一方、欧州通貨や資源国通貨は、序盤は対円で堅調な動きとなったものの、終盤にかけてドル/円の下落に連れて失速した。
米株式市場では、前日に主要株価指数が大幅上昇となったことで利益確定の動きに加え、米大手企業の冴えない四半期決算が嫌気され、主要株価指数は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、米雇用統計の発表を控えてポジション調整の動きが出たことも影響した。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比460ドル安まで下落した。その後は、終盤にかけて下げ幅を縮小し、194.76ドル安(-0.56%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、14.45ポイント高(+0.13%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、序盤からドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の高値138.12から136.50まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したものの、対円では序盤に前日比454円高まで上昇した日経平均株価が264円高まで上げ幅を縮小したことや、ドル/円の下落に連れ安となった。
(2)午後に入り、下げが一服したものの、上値の重い展開が続いた。ただ、欧州時間に入ると、欧州勢の円買い・ドル売りに押されて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きとなった。10月のPCEデフレーターが前月から低下したことから、FRBの利上げペースの後退観測が意識されドルは主要通貨に対して上値の重い動きとなった。さらに、その後に発表された11月ISM製造業景況指数が予想以上の低下となり、2020年5月以来の50割れとなったことを受けてドルは下げ幅を拡大した。ドル/円は、序盤の高値136.34から135.22まで下落して8/18以来の安値を付けた。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上昇が続いたものの、対円では終盤にかけてドル/円の下落に連れて失速した。
本日のトピックス
本日は、米国時間に米雇用統計の発表が予定されており、様子見ムードが強まると見られており、発表までは全般的に小動きの展開が続くと予想されている。
米国ではIT企業を中心に大幅な人員削減が相次いでおり、アマゾンやメタ(旧フェイスブック)がそれぞれ約1万人の人員削減を発表し、ツイッターでも大規模な人員削減を進めており、その影響がここまでの雇用関連の指標結果に表れている。このことから、雇用統計の結果にも影響が出るとの見方もあり、統計の結果が注目されている。