前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、午後に入ると日経平均株価が上げ幅を縮小したことや、米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、欧州市場の軟調な動きが一服し、ドルは序盤から堅調な動きとなった。その後、FRBが利上げペースを減速させるとの見方が引き続き材料視され、米長期金利の低下とともにドルは主要通貨に対して下落。ドル/円は序盤の147.36から146.23まで下落。一方、27日のECB理事会で利上げの決定が確実視されていることから、ユーロはドルや円に対して堅調な動きとなった
米株式市場では、FRBが利上げペースを緩めるとの期待感が引き続き材料視され、ダウ平均は買いが優勢となった。また、大きく下落して始まったナスダックは、その後下げ幅を縮小する動きとなった。ただ、一部の主要企業の冴えない決算発表が嫌気され、終盤には上げ幅を縮小した。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、前日比335ドル高まで上昇した。しかし、その後は上げ幅を縮小し、一時マイナス圏まで下落する場面もあったが、引けにかけて再びプラス圏を回復し、2.37ドル高(+0.01%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、228.13ポイント安(-2.04%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の軟調な動きが一服し、ドルは序盤から堅調な動きとなった。また、日経平均株価が序盤から上昇したこともあり、クロス円も堅調な動きとなった。
(2)午後に入ると、日経平均株価が下落したことや、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)その後は、米長期金利が持ち直したことから、ドルは主要通貨に対して底固い動きとなった。ユーロやポンドなどの欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から堅調な動きとなった
(4)FRBが利上げペースを減速させるとの見方が引き続き材料視され、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.079%から3.990%まで低下したことから、ドルは主要通貨に対して下落。ドル/円は序盤の147.36から146.23まで下落した。一方、カナダ中銀が利上げを決定したものの、市場予想を下回る利上げ幅だったことを受けて、一時主要通貨に対して下落。また、27日のECB理事会で利上げの決定が確実視されていることから、ユーロはドルや円に対して堅調な動きとなった。
本日のトピックス
本日の欧州市場では、ECB理事会の結果発表が予定されており、0.75%の利上げが予想されている。マーケットでは、FRBが利上げペースを減速させるとの見方が広がっていることや、昨晩カナダ中銀が予想を下回る利上げ幅を決定した上、総裁が「金融引き締め終了が近い」と言及したことから、ECB理事会で予想通り0.75%の利上げが決定されるのか、声明で利上げペースの減速に関して言及するのか注目されている。一方、米国時間では、第3四半期GDP、耐久財受注の発表が予定されており、共に前回から改善が予想されている。一方、同時刻に予定されている新規失業保険申請件数は前週から悪化が予想されており、結果を受けた反応が注目される。
10/27の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
第3四半期GDP(前期比年率) ![]()
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
|
2.3% | -0.6% |
4-6月期の米GDP確定値は、改定値と変わらずとなり、2020年4-6月期以来2年ぶりの2四半期連続のマイナス成長となった。GDPの7割を占める個人消費は、改定値から上方修正された一方、輸出は下方修正された。今回発表の7ー9月期は、プラス成長が予想されており、景気後退観測が和らぐと見られている。 | ||||
21:30 | 米国 |
9月耐久財受注(前月比) ![]()
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
|
0.6% | -0.2% |
前回は市場予想を上回ったものの、2ヵ月連続のマイナスとなった。輸送機器がマイナスとなったことが影響し、輸送機器を除いた受注はプラスを維持した。今回は、プラス改善が予想されているものの、FRBが大幅利上げを進める中で、企業が支出を抑制するリスクが高まっていると見られている。 | ||||
21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(10/22までの週) ![]()
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
|
22.0万件 | 21.4万件 |
前回は市場予想に反して減少となり、3週ぶりの減少となった。ハリケーンの影響が出ていたフロリダ州などで申請件数が減少したことが影響した。ただ、ハリケーンの被害の影響が残り、引き続き増加要因となる可能性も指摘されている。 |