前営業日トピックス
東京市場では、政府・日銀のレートチェックへの警戒感が強く、序盤はやや上値の重い動きとなった。ただ、五・十日で実需のドル買いが観測されたこともあり、仲値公示にかけてドルは堅調な動きとなった。その後、日経平均株価が堅調な動きとなったことや、時間外取引で米金利が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。しかし、上値は限定的となり、欧州時間に入るとドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が強弱まちまちの結果となったことから、マーケットの反応は限定的だった。さらに、米長期金利が上昇したものの、日本政府・日銀の円買い介入への警戒感もあり、ドルの上値は限定的となった。一方、ユーロは対ドルでパリティ超えの水準で売り圧力も強く、上値の重い展開が続いた。
米株式市場では、序盤は買いが先行したものの、FRBが利上げを加速させるとの警戒感も根強く、さらに米長期金利が上昇したことも圧迫要因となり、終盤には下げ幅を拡大する動きとなった。ダウ平均株価は、序盤に前日比142ドル高まで上昇したものの、終盤には下げ幅を拡大して一時253ドル安まで下落した。引けにかけて下げ幅を縮小し、173.27ドル安(-0.56%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは167.32ポイント安(-1.43%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、上昇して始まった日経平均株価がマイナス圏に下落するなど、上値の重い動きとなったこともあり、ドル円・クロス円も序盤から上値の重い動きとなった。また、政府・日銀のレートチェックが再び行われるのではないかとの警戒感も加わり、方向感の乏しい動きとなった。
(2)その後、日経平均株価が前日比127円高まで上昇したことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことを受けて、ドル買い・円売りが優勢となり、クロス円も堅調な動きとなった。欧州市場では、上昇して始まった欧州主要株価指数が下落に転じてマイナス圏まで下落したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された8月米小売売上高、新規失業保険申請件数などが予想より良好な結果となったものの、フィラデルフィア連銀指数、鉱工業生産が冴えない結果となるなど、強弱まちまちの結果となったことから、マーケットの反応は限定的だった。さらに、指標発表後に急低下した米長期金利が一転して急速に上昇となったものの、日本政府・日銀の円買い介入への警戒感もあり、ドルの上値は限定的となった。一方、ユーロ圏当局者のタカ派発言を受けて、ユーロ買いが見られたものの、対ドルではパリティ超えの水準では売り圧力も強く、上値を抑えられる展開が続いた。
本日のトピックス
9月のFOMCで引き続き大幅な利上げが決定されるとの観測が根強いものの、日銀のレートチェックの報道後、日本政府・日銀の円買い介入への警戒感が高まっており、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなっている。そのため、引き続き上値の重い動きが続く可能性が考えられる。
本日の米国市場では、ミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されている。期待インフレの低下を背景に、消費者マインドの改善が続いており、引き続き改善が続くのか注目されている。
9/16の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
9月ミシガン大学消費者信頼感指数 ![]()
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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60.0 | 58.2 |
前回は市場予想を上回り、過去最低となった6月以降は2ヵ月連続の上昇となり、消費者の先行き不安が徐々に改善していることが示された。1年、5年先のインフレ期待が低下したことが影響した。今回は、前月からさらに改善が予想されている。 |