前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は一時129円台まで上昇し、2002年4月以来の高値を更新した。ただ、その後は利益確定の動きなどから128.06まで下落したものの、下げ一服後は再び底固い動きとなった。しかし、米長期金利の低下が続いたこともあり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、クロス円も連れ安となった。
米国市場では、欧州時間の軟調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ただ、日米財務相の会談が実施されるとの観測から、円安牽制への警戒感も加わり、再び上値の重い動きとなった。さらに、米国市場でも米長期金利の低下が続いたことも加わり、ドル/円は一時127.46まで下落した。その後は値を戻す動きとなり、127.92まで値を戻す動きも見られた。
米株式市場では、米企業の決算発表で良好な結果が続いたことで、米経済の先行きに楽観的な見方が広がり、ダウ平均株価は序盤から堅調な動きとなった。一方、会員減少で動画配信の事業悪化が懸念されたネットフリックスが大幅下落するなど、メディアやIT関連株が売られたことから、ナスダック、S&P500は反落となった。ダウ平均株価は、一時前日比404ドル高まで上昇したものの、終盤には上げ幅を縮小して249.59ドル高(+0.71%)で終了した。一方、ナスダックは166.59ポイント安(-1.22%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなり、ドル/円は前日の海外時間の高値の128.98を上抜けて129.41まで上昇し、2002年4月以来の高値を付けた。さらに、ドル/円の上昇に加え、日経平均株価が序盤に一時前日比404円高まで上昇したことから、クロス円も堅調な動きとなった。
(2)日銀が「指し値オペ」を通告したことを受けて、一時128.80台まで下落したものの、その後に再び129円台まで上昇するなど、値動きの荒い展開となった。ただ、指し値オペ通告にもかかわらず、ドル/円は上値の重い動きとなったことから、利益確定の動きが優勢となり、ドル/円は一時128.06まで下落となり、この動きにクロス円も連れ安となった。
(3)下げ一服後はやや値を戻す動きとなったものの、時間外取引で米10年債利回りが序盤の2.977%から2.855%まで低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、ユーロやポンドは対ドルで上昇したものの、ドル/円の下落に連れて対円では上値の重い動きが続いた。
(4)米国市場では、アジア時間から続く軟調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ただ、G20を控えたポジション調整に加え、日米財務相会談が実施されるとの観測から、円安牽制への警戒感も加わり、ドル円・クロス円は再び上値の重い動きとなった。さらに、米長期金利の低下が続き、10年債利回りが2.816%まで低下したことも加わり、ドル/円は一時127.46まで下落し、アジア時間に付けた高値129.41から約2円近く下落した。ただ、その後は127.92まで値を戻すなど、底固い動きが続いた。
本日のトピックス
前日のアジア時間にドル/円は一時129.41まで上昇し、2002年4月以来の高値を更新した。しかし、その後は上値の重い動きとなり、米長期金利の低下や、G20で日米の財務相会談が実施されるとの観測から、円安を牽制する口先介入への警戒感も広がり、調整の動きとなった。ただ、米国の大幅利上げに変わりはなく、すでにマーケットでは5月のFOMCで0.50%の利上げが織り込まれていることもあり、東京時間に入りドルは再び堅調な動きとなっており、引き続き底固い動きが予想されている。
本日の海外時間では、G7、G20の財務相・中央銀行総裁会議が予定されており、英中銀総裁、ECB総裁、FRB議長の発言が予定されていることから、発言の内容に注目したい。また、米国市場では、新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀景況指数などの経済指標の発表が予定されているが、反応は限定的と見られている。
4/21の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(4/16までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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18.5万件 | 18.5万件 |
前回は市場予想に反して増加となり、5週間ぶりの高水準となった。しかし、改善が続く中での一時的な増加と見られている。今回は、横ばいが予想されており、依然として低水準が続くと見られている。 | ||||
21:30 | 米国 |
4月フィラデルフィア連銀景況指数
フィラデルフィア連銀製造業景況指数は、フィラデルフィア連銀の管轄であるニュージャージー、ペンシルバニア、デラウエアの製造業の景況感などを指数化した経済指標で、最も早く公表される製造業の景況指数の一つである。ISM製造業景気指数の先行指標としても注目されている。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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20.0 | 27.4 |
前回は市場予想に反して上昇となり、2021年11月以来の高水準まで改善した。新規受注や出荷、雇用者数などが大幅に改善したことが押し上げ要因となった。今回は、前月から低下が予想されているが、景気判断が悪化する程の低下にはならないと見られている。 |