前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から大幅下落となったことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は日経平均株価が下げ幅を縮小し、午後にはプラス圏まで回復したことや、時間外取引の米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が良好な結果となったことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。また、日米金利差拡大観測を背景に、ドルは対円で堅調な動きが続き、一時122.41まで上昇して2015年12月以来の122円台回復となった。一方、クロス円も堅調な動きが続き、ユーロ/円は2018年2月以来、ポンド/円は2016年5月以来、豪ドル/円は2015年8月以来の高値をそれぞれ更新した。さらに、南アメキシコの中銀がともに利上げを決定したことから、南ア・ランド、メキシコ・ペソもドルや円に対して上昇した。
米株式市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が約52年6ヵ月ぶりの低水準となったことを受けて、米経済の先行き期待を背景に、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、原油先物が大幅に下落したことで、インフレへの懸念が和らいだことも支援材料となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比355ドル高まで上昇した。高値圏を維持したまま、349.44ドル高(+1.02%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、269.24ポイント高(+1.93%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が下落して始まり、一時前日比415円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、下げ一服後は底固い動きとなり、値を戻す動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を縮小し、プラス圏まで回復したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、前日の海外時間でFRB当局者が5月のFOMCで0.50%の利上げの可能性を指摘したことが引き続き材料視され、時間外取引で米長期金利が上昇したことからドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。対円では、一時121.75まで上昇した。ただ、欧州時間では欧州主要株価指数が上値の重い動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が約52年6ヵ月ぶりの低水準となり、労働市場の大幅な改善が示されたことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。米国の利上げ期待が高いことや、日銀総裁の円安容認発言を背景に、ドルは対円で上昇が続いており、ドル/円は一時122.41まで上昇し、2015年12月以来の122円台を回復した。一方、ECBの専務理事が年内の利上げの可能性に言及したことから、ユーロは欧州時間から堅調な動きが続き、ユーロ/円は一時134.57まで上昇し、2018年2月以来の高値を更新した。また、南ア中銀が3会合連続、メキシコ中銀が7会合連続で利上げを決定したことから、南ア・ランドは対円で2018年7月以来、メキシコ・ペソは2018年10月以来の高値を更新した。
本日のトピックス
前日の海外市場では、ドル/円が一時122.41まで上昇して2015年12月以来の高値を更新した。さらに、クロス円も軒並み堅調な動きとなった。東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、ドル/円は序盤に122.44まで上昇して海外市場の高値を上回ったものの、その後は上値の重い動きとなっている。ここからドル円・クロス円は、引き続き堅調な動きが続くのか、一旦調整となるのか注目されている。
本日の米国市場では、3月のミシガン大学消費者信頼感指数(確報)の発表が予定されている。前回の速報では、市場予想を下回り2011年9月以来の低水準となり、消費者マインドの悪化が示された。本日の確報では、速報から変わらず予想となっているが、一部では下方修正を予想する向きもあり、結果が注目されている。
3/25の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
3月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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59.7 | 59.7 |
前回の速報値は、市場予想を下回り2011年9月以来の低水準となった。ロシアのウクライナ侵攻の影響で1年先のインフレ期待が約40年ぶりの高水準となったことが、消費者のマインドを悪化させた。また、物価の上昇に加え、向こう1年の家計の悪化を見込むとの回答が過去最高となり、所得不安を抱いていることも明らかとなった。今回の確報値は、速報値から横ばいが予想されているが、一部では速報値から下方修正を予想する向きも多い。 |