前営業日トピックス
前日発表の米消費者物価指数の結果を受けて、早期のテーパリングへの思惑が後退したことを受けてドルが下落した流れを引き継ぎ、ドル/円は序盤に一時110.32まで下落した。一方、取引序盤に200円超上昇した日経平均株価が午後にはマイナス圏まで下落したことから、クロス円も上値の重い動きとなった。さらに、内外の投資家の多くや本邦実需筋が夏季休暇中であることから、全体的な値動は限定的だった。
米国市場では、7月の米生産者物価指数が前年比ベースで2010年11月以降最大の伸びとなったことを受けて米長期金利が上昇し、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。対円では一時110.55まで上昇した。しかし、その後米長期金利の上昇が一服すると、ドルも上値の重い動きとなり、対円では110.32まで下落した。一方、ユーロはドルや円に対して底固い動きとなったものの、ポンドや豪ドルは対ドル、対円で軟調な動きが続いた。
米株式市場では、米雇用関連の経済指標が改善したものの、同時に発表された生産者物価指数が市場予想を上回ったことで米長期金利が上昇したことが影響し、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。その後は買い戻しが優勢となり、主要株価指数は小幅高となった。ダウ平均株価は、序盤に前日比26ドル高まで上昇し、取引時間中の最高値を更新した。しかし、その後は下落に転じて一時132ドル安まで下落した。下げ一服後は買い戻しが優勢となり、14.88ドル高(+0.04%)で終了し、終値ベースの最高値も更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の米国市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。前日発表の7月の米消費者物価指数の上昇が鈍化したことがドルの圧迫要因となったことから、ドル/円は一時110.32まで下落した。ただ、前日の安値の110.31が意識されて底固い動きとなった。また、序盤に前日比209円高まで上昇した日経平均株価が下落に転じたことも、クロス円を圧迫した。
(2)米長期金利が低下したこがドルの圧迫要因となったものの、その後ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して堅調な動きとなり、110.47まで上昇。しかし、110.50からの上値の重さが意識され、上昇一服後は再び上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された新規失業保険申請件数が3週連続で減少したほか、失業保険継続受給者数が2020年3/13までの週以来の低水準まで改善したこと、さらに7月の米生産者物価指数が前年比ベースで2010年11月以降最大の伸びとなったことで、米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して上昇となり、対円では一時110.55まで上昇した。
(4)米長期金利の上昇が一服すると、ドルも上値の重い動きとなり、対円で110.32まで下落した。その後、米長期金利が持ち直し、米30年債入札結果を受けて米長期金利が一段の上昇となり、ドルは主要通貨に対して底固い動きとなった。一方、米主要株価指数がマイナス圏から持ち直したことから、ユーロはドルや円に対して底固い動きとなったものの、ポンドや豪ドルは対ドルで下落が続いたこともあり、対円でも軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
昨日の米生産者物価指数が上昇幅を拡大したことから、米長期金利が上昇し、ドルも堅調な動きとなったが、前日に発表された米消費者物価指数ほどFRBの注目度が高くないこともあり、上昇は小幅に留まった。ただ、物価関連の経済指標の結果には敏感に反応する傾向が続いている。
本日の米国市場では、輸入物価指数の発表が予定されており、消費者物価指数や生産者物価指数ほど注目度は高くないものの、結果を受けた米金利の動きに注目したい。また、8月のミシガン大学消費者信頼感指数の発表も予定されており、むしろこちらの方が注目度は高い。前回、1年先のインフレ期待が2008年8月以来の高水準となり、インフレ率が今後も高まると見ていることが示された。今回、引き続きインフレ率が高まるのか、落ち着くのか結果が注目される。
8/13の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
8月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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81.2 | 81.2 |
前回の確報は、速報から上方修正され、1年後のインフレ期待が上昇したことで、インフレ率が今後も高まると見ていることが示された。さらに、景気の現況指数、期待指数はともに前月から低下した。今回の速報値では、前月確報から変わらず予想となっているが、特にインフレ期待の結果が注目されている。 |