前営業日トピックス
東京市場では、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、上値の重い動きとなったものの、月末を控えた五・十日に当たり、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことからドルは底固い動きとなった。ただ、仲値通過後は実需のドル売りが優勢となり、ドルは反落となった。その後、ドルは主要通貨に対して軟調な動きか続き、対円でも一段の下落となった。一方、欧州主要株価指数が上昇したことから、クロス円は底固い動きが続いた。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなり、ドル/円は一時109.07まで上昇した。しかし、米経済指標が冴えない結果となったことを受けて、上昇して始まった米主要株価指数が軒並み下落に転じるなど、投資家のリスク回避の動きが意識され、円が買われる動きとなった。さらに、米国債利回りが低下したこともあり、ドルは対円で108.70まで下落した。
米株式市場では、米景気回復期待を背景に主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、一時前日比117ドルまで上昇したものの、ここまで3営業日続伸となったことで利益確定の動きに加え、発表された米住宅関連、消費者関連の経済指標が冴えない結果となったことから、主要株価指数は軒並み下落に転じてマイナス圏まで下げる動きとなった。ダウ平均株価は、終盤に127ドル安まで下落する場面もあり、81.52ドル安(-0.24%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、3.99ポイント安(-0.03%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、海外市場終盤の軟調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。ドル/円は、一時108.86まで上昇した。
(2)その後、五・十日に当たるため、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが観測されたことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。しかし、仲値通過後には輸出企業などのドル売りが優勢となり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、ユーロや英ポンドなどは底堅い動きとなり、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで堅調な動きとなり、対円でも堅調な動きとなった。欧州時間では、欧州主要株価指数が比較的堅調な動きとなったことから、クロス円は底固い動きとなったものの、ドルは米長期金利の低下を受けて、上値の重い動きとなり、ドル/円は108.56まで下落し、5/11以来の安値となった。
(3)ドル円は下げが一服して値頃感の買い戻しの動きが優勢となったことや、クロス円の上昇が続いたことにつれ高となった。米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は前日高値の108.99を上抜けて、一時109.07まで上昇した。
(4)発表された4月の米新築住宅販売件数は、2ヵ月ぶりのマイナスとなったことや、5月の米消費者信頼感指数が市場予想を下回る結果となり、前月の改定値は4.2ポイント下方修正されたことを受けて、上昇して始まった米主要株価指数が軒並み下落に転じたことから、投資家のリスク回避の動きが意識され、円が買われる動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.597%から1.552%まで低下したこともあり、ドルは対円でも軟調な動きが続き、終盤には108.70まで下落した。一方、ポンドは欧州時間までの上昇が一服し、米国時間ではドルや円などの主要通貨に対して序盤から軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
本日は、欧米の主要な経済指標の発表がないものの、米国時間ではFRB副議長の講演が予定されている。マーケットでは、量的緩和策に関する議論が早期に開始されるのかどうかが注目されており、関連する発言には敏感に反応する可能性もあり、発言の内容が注目される。また、米5年債の入札が予定されており、このところの入札では、金利高を背景に堅調な入札となり、債券買い(利回りは低下)となるケースも多いことから、入札結果とマーケットの反応にも注目したい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、持ち合いレンジを横ばいで下抜けたものの、下抜けた後も横ばいが続いている。特に、一目均衡表の基準線でサポートされていることから、目先ここを下抜けて一段の下げとなるのか、又は雲上限ラインを上抜けて一段の上昇となるのか注目されている。
下値の重要なポイントである基準線は、週末28日までは108.630で横ばいが続くが、週明けの31日には108.714となり、その後連日上昇が続き3日には109.061まで上昇する。このタイミングで基準線の下抜けとなるのか、基準線に沿って上昇するのか見極めたい。