前営業日トピックス
アジア市場では、日本市場と中国市場が休場となり、ドル円・クロス円は序盤から限定的な動きとなった。ただ、欧州時間にかけては、時間外の米国債利回りが上昇したこともあり、ドルは対円などで堅調な動きとなる場面もあった。ただ、上昇一服後は上値の重い動きとなった。
NY市場では、米経済指標が比較的良好な結果となったものの、市場予想ほどの好結果とはならなかったこともあり、ややドルの上値を圧迫した。さらに、米国債利回りの低下が続いたことから、日米金利差縮小が意識され、ドル売り・円買いとなり、クロス円も連れ安となった。
米株式市場では、米経済の回復期待が高まっていることを背景に、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、終盤に一時前日比198ドル高まで上昇し、取引時間中の最高値を更新した。その後、上げ幅を縮小したものの、97.31ドル高(+0.29%)で終了し、終値ベースの最高値も更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、終盤にマイナス圏まで下落し、51.08ポイント安(-0.37%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)アジア市場では、日本市場と中国市場が休場となり、新規材料に乏しく積極的な売買が手控えられたこともあり、ドル円・クロス円はやや限定的な動きとなった。ただ、欧州勢参入後は、米長期金利の上昇を受けたドル買いが優勢となり、ドルは対円で一時109.48まで上昇した。しかし、上昇一服後は上値の重い動きとなった。
(2)米国市場では、序盤に発表された米ADP雇用統計では、市場予想を下回ったものの、雇用者数の伸びが7ヵ月ぶりの大幅増となったことから、ドルはやや上値の重い動きとなった。その後に発表された米ISM非製造業景況指数でも高水準を維持したものの、市場予想を下回り、前回結果からも低下したことからドルの上値を圧迫した。ドル/円は、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.624%から1.566%まで低下したことも加わり、終盤まで軟調な動きが続いた。一方、クロス円もドル/円の動きに連れて上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
欧州時間では、英国の金融政策発表が予定されており、政策金利など政策は据え置かれるとの見方がコンセンサスとなっているが、金融緩和策の縮小が議論されるとの思惑もあることから、声明や議事要旨、当局者の発言には注目したい。
一方、週末の米雇用統計を控えて、ADP雇用統計が7ヵ月ぶりの高水準となったことや、ISM非製造業景況指数の雇用指数が2018年9月以来の高水準となったことから、週末の米雇用統計に対する期待感も高まっている。ただ、一部ではADP雇用統計、ISM非製造業景況指数がともに市場予想を下回る結果となったこともあり、予想通りの大幅な伸びにはならないとの見方もある。その中で、本日の米国市場では、4月のチャレンジャー人員削減数、新規失業保険申請件数、1Q非農業部門労働生産性の発表が予定されており、雇用に関連する経済指標の発表が予定されていることから、結果に注目したい。
5/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(5/1までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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54.0万件 | 55.3万件 |
前回は3週連続の減少となり、昨年3月以来の低水準まで改善した。ワクチン接種が進んでいることで、経済活動の再開を背景とした雇用回復が続いていることが示された。今週も、前週からの減少が予想されており、雇用改善が進んでいることが示されるのか注目される。 |