前営業日トピックス
東京市場では、米国経済の回復期待を背景にしたドル買いや、実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、仲値通過後は、円買い戻しの動きからドル円・クロス円はやや上値の重い動きとなったが、米長期金利が持ち直したこともあり、ドル/円は110.40まで上昇する動きとなった。午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大し、一時前日比420円超下落したことや、米長期金利の上昇が一服したとの見方から、日米の金利差縮小を意識した円買い・ドル売りが優勢となったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。欧州市場では、欧州主要株価指数が上昇して始まったことや、米長期金利が持ち直したことから、ドル円クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、米主要株価指数が下落して始まったことや、米国債利回りが低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。特に、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きとなったことから、対円でも一時109.67まで下落した。ドル/円の下落に連れ安となっていたクロス円は、下落一服後は対ドルで上昇が続いたこともあり、対円でも終盤まで堅調な動きとなった。
米株式市場では、前日にダウ平均、S&Pが過去最高値を更新したことなどもあり、利益確定の動きが先行し、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。しかし、IMFが世界経済見通しを上方修正したこともあり、主要株価指数はプラス圏まで上昇、S&P500は一時取引時間中の最高値を更新した。ダウ平均株価は、一時プラス圏まで上昇したものの、その後は再び下落に転じ96.95ドル安(-0.29%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、7.29ポイント安(-0.05%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が上昇して始まったこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが観測されたことや、このところの良好な米経済指標の結果が続いたこともあり、ドル/円は110.40まで上昇した。
(2)午後には、日経平均株価がマイナス圏まで下落し、下げ幅を拡大する動きとなったことから、クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる10年債利回りが低下したことから、ドルは対円で上値の重い動きとなった。欧州時間では、休場明けの欧州主要株価指数が上昇して始まったことや、米長期債利回りの低下が一服し、上昇に転じたことからドル買い・円売りが優勢となり、ドル/円は110.55まで上昇した。一方、ドル/円の上昇にユーロ/円などもつれ高となった。
(3)NY市場では、直前の欧州時間の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円はやや上値の重い展開で始まった。米景気回復期待を背景に、投資家のリスク選好の動きから安全資産とされる米国債が売られたことから、米国債利回りが上昇となり、米長期金利の指標となる米10年債利回りが欧州時間の1.714%から1.650%まで低下したことから、ドルは主要通貨に対して下落となり、対円でも一時109.67まで下落した。さらに、米主要株価指数が下落して始まったことや、ダウ平均株価が上値の重い動きとなったこともあり、クロス円も軟調な動きとなった。
(4)クロス円はドル/円の下落に連れ安となっていたが、下落一服後は対ドルで上昇が続いたこともあり、対円でも終盤まで堅調な動きが続いた。一方、ドルは米国債利回りが低水準で推移したこともあり、上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
昨日、ドルは主要6通貨に対するドル指数が3/23以来の低水準に低下するなど、対円でも110円台を割り込む動きとなった。本日は、序盤から底固い動きが見られたが、再び110円台を回復できるのかどうか注目されている。一方、欧州通貨や資源国通貨はドルや円に対して堅調な動きとなっており、再び堅調な動きが続くのかこちらの動きにも注目したい。
また、休場明けの欧州市場では、欧州主要株価指数が堅調な動きとなったが、引き続き堅調な動きとなるのかどうか注目したい。さらに、ユーロ圏や主要国の3月の非製造業PMI(確報)の発表が予定されており、製造業PMIよりやや注目度が低いものの、結果が注目される。
米国市場では、2月の米貿易収支の発表が予定されており、赤字額の拡大が予想されている。先週末の米雇用統計など、このところ良好な経済指標の結果が続いており、米経済の先行きに楽観的な見方も広がっていることから、輸入増による赤字拡大は現状では大きな懸念要因にはならないと考えられる。
4/7の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
2月貿易収支
貿易収支は、米国から輸出された金額と米国へ輸入された金額の差額。米国では、輸出、輸入ともモノだけではなくサービス(運賃や保険、観光など)も含まれる。
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-704億USD | -682億USD |
前回は市場予想を下回り、昨年11月の次ぐ過去3番目の大きな赤字額となった。輸入が2019年8月以来の高水準となったことが影響した。今回は輸入が皿の伸びている可能性もあることから、赤字額の拡大が予想されており、懸念要因となる可能性も考えられる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、トレンドラインを下抜けており、やや上値の重い動きとなっている。ここから下落が続く展開となるのか、底固い動きとなるのか注目される。
目先のサポートポイントは109.358、ここを下抜ける場合には一目均衡表基準線の108.802がポイントとなる。一方、上値のポイントはトレンドラインと110円台の大台回復であり、ここを上抜けて維持できれば、再び堅調な動きも考えられる。