前営業日トピックス
週開明けの東京市場では、トランプ米大統領が経済対策法案に署名したとの報道を受けて、ドルは堅調な動きとなった。その後、日経平均株価が堅調な動きが続いたこともあり、クロス円も同様の動きとなった。ただ、ドルは欧州通貨や資源国通関に対して軟調な動きとなり、対円でも上値の重い動きが続いた。欧州時間には、欧州株や米株価先物が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、米追加経済対策が成立したことに加え、米2年債と5年債の入札が振るわなかったことを背景に米長期金利が上昇したことから、ドルは堅調な動きとなった。一方、ユーロ圏で新型コロナのワクチンの接種が始まったことから、経済が正常化に近づくとの期待感を背景に、ユーロは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ただ、ポンドは序盤に堅調な動きとなったものの、その後はドルやユーロに対して下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。
米株式市場では、米追加経済対策が成立したことで、米景気の先行きに対して楽観的な見方が広がり、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、序盤に24日と比べて325ドル高まで上昇して史上最高値を更新、終盤に上げ幅を縮小したものの、204.10ドル高(+0.68%)で終了し、終値ベースの最高値も更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは94.69ポイント高(+0.74%)で終了し、取引時間中、終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート5分足
(1)東京市場では、前週末の海外市場の大半がクリスマスで休場だったことから新規材料に乏しく、ドル円・クロス円は序盤からやや上値の重い動きとなった。ただ、アジアではオーストラリアやニュージーランドが引き続き休場となったこともあり、値動きは限定的だった。その後、トランプ米大統領が2021年度予算案と新型コロナウイルス追加経済対策法案に署名したとの報道を受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ただ、反応は一時的だった。
(2)日経平均株価が底固い動きが続き、前週末比197円高まで上昇したことから、クロス円は堅調な動きとなった。ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下落したことから、対円でも上値の重い動きとなり、序盤の高値103.64から103.40まで下落した。その後は、欧州主要株価指数や米株価先物が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米2年債と5年債の入札が振るわず、米長期金利が上昇したことも対円でのドルの押し上げに寄与した。
(3)米国市場では、米追加経済対策が成立したことに加え、米長期金利の上昇を背景にドルは堅調な動きとなった。ただ、その後は米10年債利回りが0.961%から0.921%まで低下したこともあり、ドル/円は終盤にかけて上値の重い動きが続いた。一方、ユーロは米ファイザーと独ビオンテックの開発した新型コロナウイルスのワクチンの接種が始まったことから、経済が正常化に近づくとの期待感を背景に主要通貨に対して堅調な動きとなった。しかし、ポンドは序盤にドルや円に対して堅調な動きとなったものの、その後はドルやユーロに対して下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
注目されていた米国の追加景気対策・歳出法案にトランプ米大統領が署名し、連邦政府機関の一部閉鎖も回避されることになったことや、ユーロ圏でワクチン接種が開始されたことから、景気回復に対する期待感を背景に、昨晩の欧米の主要株価指数は上昇となった。これを受けて、日経平均株価も前日比350円超上昇したこともあり、ドル円・クロス円も底固い動きとなっている。ただ、年末年始を控えて、実需の売買や市場参加者が少ないことや、欧米の主要な経済指標の発表がないことから、引き続き限定的な動きも予想されている。その中で、前日に米主要株価指数が史上最高値を更新したことから、引き続き堅調な動きとなるのか、一服となるのか注目されている。
本日のトレードポイント

※出所:FX総合分析チャート
ユーロ/ドルは、底固い動きが続いており、目先高値を上抜けて一段の上昇となるのか、トレンドラインを下抜けて一旦調整となるのか注目されています。
目先の上値のポイントは直近高値の1.2272、ここを上抜けた場合の上値目標の計算値は1.2343となります。一方、下値のポイントは、トレンドラインの1.2180近辺、次いで直近安値の1.2130となり、1.2130を下抜けた場合の下値目標の計算値は1.2106となります。
気まぐれ投資コラム
ドル/円の年間の変動幅が4年ぶりに前年を上回る
表は2020年のドル円の変動幅をグラフ化にしたものです。2020年のドル/円の年間変動幅(高値−安値)は、高値が112.23(2/20)、安値が101.19(3/9)であることから28日時点で11.04円幅となりました。昨年まで3年連続で反動幅が縮小していましたが、4年ぶりに反動幅が前年を上回りました。さらに、2年連続で年間変動幅が10円以下となっていましたが、2020年は10円以上を回復しました。
一方、2020年のドル/円の月別変動幅(高値−安値)は、新型コロナウイルスの感染拡大した3月の動きが月間で10.52円幅となり、1ヵ月間の変動幅としては2016年11月(13.34円幅)以来の大きな変動幅となりました。その後、7月に4円近い変動幅(3.97円幅)となる場面もありましたが、それ以降は2円程度の変動幅に留まり、例年と比べて小さい変動幅となりました。

※出所:データを基にSBILMが作成

※出所:データを基にSBILMが作成