前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落して始まったものの、下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。午後には、日経平均株価がプラス圏まで上昇したことから、ドル円・クロス円は一段の上昇となったが、ドルは米長期金利の低下、ユーロはECB理事会を控えて様子見から上値の重い動きとなった。欧州時間には、ドルが欧州通貨に対して上昇したことから、対円でも堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米雇用関連の経済指標が予想以上に悪化したことから、米労働市場に対する懸念が高まり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米長期金利の低下が続いたこともドル/円の圧迫要因となった。一方、ラガルドECB総裁が会見で第4四半期のユーロ圏経済の縮小が予想されるとしたことから、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きとなった。しかし、対ドルで堅調な動きが続いたこともあり、対円でも一時126.74まで上昇し、9/1以来の高値を更新した。
米株式市場では、序盤に発表された米雇用関連の経済指標が予想以上の悪化となったことから、米経済の先行きに対する懸念が高まり、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。ただ、追加経済対策の協議の進展を示唆する当局者の発言が報道されたこともあり、下値は限定的だった。ダウ平均株価は69.55ドル安(-0.23%)で終了したものの、ハイテク株中心のナスダックは66.86ポイント高(+0.54%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)朝方、英国とEUの交渉が13日まで継続することで合意したとの報道を受けて、10日から始まるEU首脳会議に合意が間に合わなかったことが嫌気され、ポンドは主要通貨に対して下落した。東京市場では、日経平均株価が下落して始まり、前日比177円安まで下落したものの、その後は下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、五・十日に当たり、昨日は仲値公示にかけて実需の売り買いが交錯したことから、ドル/円は方向感に乏しい動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を縮小し、一時プラス圏まで上昇したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、ドル/円は米国債利回りが低下したことも加わり、上値の重い動きとなった。一方、ユーロもECB理事会を控えて積極的な売買が手控えられ、英国とEUの協議を見極めたいとの思惑からポンドの上値も限定的だった。欧州時間では、ドルが欧州通貨に対して上昇したことから、対円でも堅調な動きとなり、ドル/円は一時104.58まで上昇した。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が予想以上の増加となり、米労働市場に対する懸念が高まったことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、長期金利の指標となる米10年債利回りの低下が続いたこともあり、ドル/円は終盤まで軟調な動きが続いた。一方、ECB理事会後の定例会見で、ラガルドECB総裁が第4四半期のユーロ圏経済も縮小が予想されると指摘したことや、為替レートを注視するとしたことを受けて、ユーロは主要通貨に対して軟調な動きも見られた。しかし、対ドルで堅調な動きが続いたこともあり、対円でも一時126.74まで上昇し、9/1以来の高値を更新した。また、英国とEUの通商協議の難航が伝えられる中で、ジョンソン英首相が通商合意なしの離脱の準備を進めるべきと発言したことから、ポンドは主要通貨に対して軟調な動きとなった。 オセアニア通貨は、ドルや円などに対して堅調な動きが続き、豪ドルは対円で2019年5/1以来、対ドルで2018年6/14以来の高値を付け、ニュージーランド・ドルは対円で12/2以来の高値となった。
本日のトピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ドルは昨晩の米雇用関連の経済指標の悪化、ユーロは昨日のラガルドECB総裁の会見での発言(第4四半期の経済縮小に言及、為替レートの動きを注視)、ポンドは英首相の発言(通商合意なしの離脱の準備を進めるべき)で合意なき離脱の可能性が高まったことから、円に対して引き続き上値の重い動きが続く可能性が考えられる。その中で、オセアニア通貨がドルや円に対して堅調な動きが続いていることから、引き続き堅調な動きが続くのか注目したい。
米国時間では、12月のミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されており、結果が注目されている。前月は新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて、先行き景況感が8.7ポイントの大幅低下となり、消費者の先行き不安が高まっていることが示された。感染拡大が続いていることから、消費者のマインドも改善していないとの見方も根強く、指数が低下となるのか注目される。
12/11の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
11月生産者物価指数(前月比)
生産者物価指数(PPI=Producer Price Index)は、米国内の販売業者の販売価格を調査し、算出した物価指数。特に、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されており、消費者物価指数(CPI)と同様にインフレ圧力を測る指標として注目されている。
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0.1% | 0.3% |
前回は市場予想を上回る伸びとなったが、9月の結果からは低下した。食品やエネルギーが伸び幅を拡大したものの、サービスが低下したことが影響した。食品やエネルギーを除くコア指数の伸びが鈍化した。一方、前年比は6ヵ月連続の伸び幅の拡大となった。今回は、さらに伸び幅の低下が予想されており、コロナ感染の急拡大の影響が懸念されている。 | ||||
0:00 | 米国 |
12月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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76.0 | 76.9 |
前回の確報値は、速報値から小幅下方修正された。現在の景況感が速報値から1.2ポイント上方修正されたが、先行の景況感が0.8ポイント下方修正されたことが影響した。感染再拡大が影響したことが背景。今回の12月速報値は11月速報値からされに低下が予想されており、引き続き消費者の懸念が残っていると見られている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
豪ドル/円は、先月から堅調な動きが続いていますが、引き続き堅調な動きが続くのか、週末や週替わりで一服となるのか注目されています。
上値のレジスタンスだった77.10を上抜けたことによる上値目標の計算値が79.368であることから、目標値の計算上ではまだ上値余地があると考えられます。ただ、昨日のローソク足の形状は、ほぼ高値引けとなっていることから、ここを完全に上抜けなければ、天井を形成するチャート形状となりやすいことから、注目されるポイントとなります。
トレンドラインを下抜ける場合や、前回のレジスタンスとなった77.10を下抜ける動きとなる場合には、現行の上昇トレンドの終了となる可能性も考えられることから、下抜けには注目です。