前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が上昇して始まるなど、アジア株が軒並み上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は一時106.19まで上昇した。その後は上昇一服から上値の重い動きとなったものの、日経平均株価が上げ幅を拡大し、終盤に400円超上昇したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、欧州時間に入ると、ドルは欧州通貨に対して軟調な動きとなり、対円でも再び106円台割れとなった。しかし、下げが一服するとドルは主要通貨に対して反発した。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は東京時間に付けた106.19まで上昇したものの、上抜けとはならずに失速した。その後、米国債利回りの低下も加わりドル売り・円買いが優勢となり、ドル/円は105.64まで下落した。一方、ユーロやポンドなど欧州通貨や資源国通貨も対ドルで上昇に転じたことから、対円でも引けにかけて堅調な動きとなった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤に前日比66ドル安まで下落したものの、その後は上昇に転じて168ドル高まで上昇、164ドル高(+0.62%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、38ポイント高(+0.35%)で終了し、2日連続で過去最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の軟調な流れが一服し、ドル/円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から上昇となり、350円超上昇したこともあり、クロス円も堅調な動きとなった。ドル/円は、一時106.19円まで上昇した。
(2)上昇一服後、ドルはユーロやポンドなどの主要通貨に対して上値の重い動きとなったことから、対円でも軟調な動きとなったが、106円台を割り込まずに底固い動きとなった。その後、午後に入っても日経平均株価の上昇が続き、終盤に前日比408円高まで上昇したことから、クロス円は底固い動きとなった。一方、豪中銀が市場の予想通り、政策金利を0.25%に据え置いたが、マーケットの反応は限定的だった。欧州時間に入り、ドルはユーロやポンドなどの欧州通貨に対して下落したことから、ドルは円に対しても上値の重い動きとなり、105.84まで下落した。
(3)ドル/円は105円台では底固い動きとなり、ドル買い戻しの動きからドルは主要通貨に対して上昇に転じた。米国市場では、欧州市場の流れを引き継いで堅調な動きとなり、一時106.19まで上昇し東京時間に付けた高値と面合わせとなったものの、上抜けとはならなかった。一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、南アフリカ経済の先行き懸念が高まり、南ア・ランドは主要通貨に対して下落した。ランドは、対ドルで6/1以来、対円では5/22以来の安値となった。
(4)米10年債利回りが3/9以来の低水準となったことに加え、5年債利回りも一時過去最低となったことからドル売り・円買いが優勢となり、ドル/円は終盤に105.64まで下落した。一方、ユーロやポンドなど欧州通貨や資源国通貨が対ドルで上昇に転じたことから、対円でも引けにかけて堅調な動きとなった。
本日のトピックス
ドルは主要通貨に対して上値の重い動きが続いているものの、新規材料に乏しく、米雇用統計など主要な米経済指標の発表を控えて様子見ムードも高まっており、明確な方向性に欠ける動きとなっている。その中で、株式や商品、債券市場の動向を反映した動きとなっている。そのため、ドル円・クロス円などやや限定的な動きとなっている。
本日の欧州時間では、ドイツやユーロ圏の7月の非製造業PMI(改定値)の結果発表が予定されているものの、週明けに発表された製造業PMI(改定値)ほど重要視されていないことから、反応は限定的だろう。一方、米国市場では週末にかけて重要な経済指標の発表が続くが、本日は7月の米ADP雇用統計、7月の米ISM非製造業景況指数の発表が予定されている。ともに週末の米雇用統計の雇用者数を予想する上で参考にされることから、結果が注目されている。そのため、結果を受けて動きが出る可能性も考えられる。
8/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:15 | 米国 |
7月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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120.0万人 | 236.9万人 |
前回は市場予想を下回り、5月の結果らか伸び幅が縮小した。経済活動の再開が進んでいるものの、回復ペースの鈍化傾向が示された。今回は、伸び幅の縮小が予想されており、最近の新型コロナウイルスの感染再拡大の影響が表れている可能性も指摘されており、一部では大幅な伸び幅の低下を予想する向きもある。 | ||||
21:30 | 米国 |
6月貿易収支
貿易収支は、米国から輸出された金額と米国へ輸入された金額の差額。米国では、輸出、輸入ともモノだけではなくサービス(運賃や保険、観光など)も含まれる。
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-500億USD | -546億USD |
前回は市場予想を上回る赤字額となり、2018年12月以来の大きさとなった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、輸出が2009年11月以来の低水準となったことが影響した。今回は、赤字額の縮小が予想されているものの、大幅な改善は難しいと見られている。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ユーロ/ドルは、1.1421のレジスタンスを上抜けたことから一段の上昇となり、上値目標の計算値となる1.1863を上抜けた後に上昇一服となり、一段の下げとなりました。その後やや値を戻していますが、ここから高値を上回り堅調な動きが続くのか、一段の調整となるのか注目されています。
オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小しており、両線がクロスとなる場合には目先の軟調な動きを示唆する形状となることから、注目されています。
上値のポイントは、?1.1908 (2)1.1965 (3)1.2128
下値のポイントは、?1.1695 (2)1.1601 (3)1.1546