前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場終盤の軟調な動きが一服し、ドルは底固い動きとなった。しかし、ポンドが大幅下落となったことや、上昇して始まった日経平均株価が上げ幅を縮小したこと、さらに米国債利回りの低下も加わり、ドル/円はやや上値の重い動きとなった。しかし、午後には再び株価が上げ幅を拡大したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標がいずれも良好な結果だったことが好感され、ドル/円は一時109.62まで上昇した。しかし、欧州時間に付けた109.63には到達できなかった。その後、ジョンソン首相がEU離脱後の移行期間延長を回避する法改正を目指すとした朝方の報道を受けて、欧州との通商交渉が期間内にまとまらないとの懸念が強まり、ポンドは主要通貨に対して下落した。ポンド/円が大きく下落したこともあり、ドル/円や他のクロス円も連れ安となった。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比92ドル高まで上昇した。その後は上げ幅を縮小したものの、31ドル高で終了し、終値ベースの最高値を更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、9ポイント高で終了し、S&P500とともに取引時間中、終値ベースの最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場終盤の軟調な流れが一服し、ドル/円は序盤から底固い動きとなった。一方、ジョンソン英首相が英国のEU離脱への移行期間が延長されないよう法改正する計画との報道を受けて、ポンドは主要通貨に対して下落した。さらにストップロスも巻き込み、ポンド/円はNY市場終値の146.18から145.10まで下落した。
(2)日経平均株価が堅調な展開で始まり、序盤に前日比138円超の上昇となったものの、その後は上げ幅を縮小し、ドル円・クロス円もやや上値の重い動きとなった。仲値公示にかけては実需のドル売りが観測されたことも圧迫要因となった。一方、豪中銀が公表した12月政策会合の議事要旨では、2月の会合で経済見通しを再評価する、必要ならばさらなる緩和策を実施するとの認識が示されるなど、ハト派的な内容だったことが嫌気され、豪ドル/円は軟調な動きとなった。
(3)ドルは欧州時間にかけて底固い動きが続き、ドル/円は一時109.63まで上昇した。その後、ポンドやユーロなどの欧州通貨が下げ幅を拡大したことを受けて、ドル/円も上値の重い動きとなった。
(4)米国市場では、序盤に発表された11月の住宅着工件数が予想以上の増加となったことや、建設許可件数が約20年ぶりの高水準となったこと、さらに11月の鉱工業生産が2017年10月以来の高い伸びとなったことが好感され、ドル/円は109.62まで上昇した。しかし、欧州時間に付けた109.63には到達できなかった。その後、米主要株価指数が堅調な動きとなったものの、ジョンソン首相がEU離脱後の移行期間延長を回避する法改正を目指すとした朝方の報道を受けて、欧州との通商交渉が期間内にまとまらないとの懸念が強まり、ポンドが主要通貨に対して下げ幅を拡大した。米国時間のポンド/円は144.38から143.48まで下落したこともあり、ドル/円や他のクロス円も連れ安となった。
本日のトピックス
ジョンソン首相がEU離脱後の移行期間延長を回避する法改正を目指すとしたことで、英国とEUの通商交渉が期間内にまとまらないとの懸念が高まり、ポンドは大きく下落した。英総選挙結果を好感して、ポンド/円は5円以上の上昇となったものの、昨日の海外市場までの下落で大半の上げ幅を消した。今後は英国とEUの通商問題の行方が相場を左右するポイントになってくるだろう。
本日も、ポンドが下振れするようなら、ドル/円やその他のクロス円にも影響する可能性も考えられる。欧州時間には、ドイツや英国、ユーロ圏の主要な経済指標の発表が予定されており、結果が注目される。一方、米国市場では、主要な米国の経済指標の発表がないものの、FRB理事の発言など複数の金融当局者の発言が予定されており、発言の内容に注目したい。