前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が堅調な動きとなり、130円超の上昇となったことを受けて、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、NY市場が感謝祭のため休場となることで海外勢の市場参加者が少ない上、実需のフローも限定的であることから、値動きは限定的となった。その中で、豪州の金融機関が利下げの可能性を指摘したことから、豪ドルは主要通貨に対して下落した。
米国市場では、米中通商協議の進展期待に加え、序盤に発表された米経済指標の良好な結果が続いたこともあり、ドルは底固い動きとなった。さらに、米株式市場で主要3指数が軒並み最高値を更新したことや、米国債利回りが上昇したことも加わり、ドル/円は5/31以来の高値を付け、クロス円も堅調な動きが続いた。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤にやや上値の重い動きとなったものの、その後は堅調な動きとなり、一時前日比53ドル高まで上昇して史上最高値を更新、4営業日続伸となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは57ポイント高で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米中通商協議の進展期待を背景に、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。月末を控えた実需のドル売りフローも観測され、仲値公示にかけてドル/円は109.15まで上昇し、海外市場の高値109.14を上回った。
(2)長期金利が低水準で推移していることや、米感謝祭を控えて海外勢の市場参加者が少ない中、やや上値の重い動きも見られた。ただ、ドルが主要通貨に対して底固い動きとなったこともあり、ドル/円でも109.19まで上昇した。一方、豪ウエストパック銀行が、豪中銀は来年2度の利下げを実施し、政策金利は0.25%まで低下、年後半には量的緩和に踏み切るとの予想を公表したことを受けて、豪ドルは主要通貨に対して下落となり、豪ドル/円は74.10から73.91まで下落した。
(3)米国市場では、序盤に発表された米7-9月期GDP改定値が速報値から上方修正されたことや、10月の耐久財受注が予想を大きく上回るプラスに改善したことなど、良好な米経済指標の結果を受けて、ドルは堅調な動きとなった。さらに、米主要株価が堅調な動きとなり、主要3指数が軒並み最高値を更新したことや、米10年債利回りが1.744%から1.774%まで上昇したことも、ドル円・クロス円の押し上げ要因となった。
(4)米ベージュブック(地区連銀経済報告)で、米経済は11月中旬までに「緩慢な」ペースで拡大したとされ、個人消費は底堅く、製造業からも明るい兆候が表れたと指摘されたこともドルの押し上げ要因となり、ドル/円は109.61まで上昇し、5/31以来の高値を付けた。
本日のトピックス
本日の朝方、英国総選挙の世論調査で英保守党が359議席、労働党が211議席と発表され、保守党が過半数を獲得する見込みとなったことから、ポンドは一段の上昇となった。ポンド/円は5/14以来の高値を付けた。一方、米大統領が香港人権法案に署名とホワイトハウスが発表したことを受けて、米中対立激化懸念を背景に、ドル円・クロス円は下落した。
マーケットの注目する材料のヘッドラインが流れたことで動きが見られたが、その後はやや落ち着いた。本日は、米国が感謝祭で主要市場が休場となることから、市場参加者も少なくなり、やや落ち着いた動きが予想されていたが、中国側の反発や、他の英調査会社の世論調査の結果が出る場合には敏感に反応する可能性もあり、注意が必要だろう。