前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。仲値公示近辺ではやや底固い動きとなったものの、午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大したこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数、10月の生産者物価指数が強弱まちまちの結果となりドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。さらにパウエルFRB議長の議会証言や、複数の米金融当局者の発言を控えた様子見ムードも影響した。その後、米主要株価が軒並み下げ幅を拡大したことや、米国債利回りが低下したことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米中は通商合意に苦戦しているとの報道もあり、ドル/円は108.24まで下落した。
米株式市場では、ダウ平均株価が序盤から軟調な動きとなり一時前日比106ドル安まで下落したが、終盤にかけて下げ幅を縮小して1ドル安で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは3ポイント安、またS&P500は2ポイント高となり、最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場で米中の農産物購入に関する議論が難航しているとの報道を受けて軟調な動きとなった流れを引き継ぎ、東京市場ではやや上値の重い展開で始まった。仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが観測されたことや、米国債利回りが上昇したことも加わり、底固い動きとなった。一方、オーストラリアの雇用統計で、就業者数が予想外の減少となり、減少幅が2016年以来の大きさとなったことが嫌気され、豪ドルは主要通貨に対して下落した。対円では、統計発表前の74.40台から73.90台まで下落した。
(2)上値が重いものの底固い動きが続いていた日経平均株価が、午後に入り下げ幅を拡大したことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、海外時間に複数の米金融当局者の発言を控えて様子見ムードも出ており、ドル円・クロス円は小動きの展開となった。
(3)ドイツのGDPがプラスとなり、景気後退が回避されたことに加え、フランス中銀総裁が金利の底入れが近いとの見方を示すなど、複数のユーロ圏当局者の発言が好感され、ユーロはドルなどに対して堅調な動きとなった。米国市場の序盤に発表された新規失業保険申請件数、10月の生産者物価指数が強弱まちまちの結果となり、反応は限定的だった。特に、パウエルFRB議長の議会証言や、複数の米金融当局者の発言を控えていること、また米中通商問題の先行きにも注目が集まる中、ドル円・クロス円は小動きの展開となった。その後、米主要株価が軒並み下げ幅を拡大したことや、米10年債利回りが1.849%から1.803%まで低下したことなどが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(4)米主要株価が下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、米中は第1段階の合意に苦戦しているとの英紙報道を受けて、ドル/円は108.24まで下落する場面もあった。
本日のトピックス
前日の米国市場では、米中通商問題に関す懸念などが上値を抑える展開が続いていたが、本日の東京市場では、クドローNEC委員長の「米中は第1段階の合意に関してとりまとめに近い」とのコメントが報道され、ドルは底固い動きとなっている。このため、引き続き通商問題に関する報道や要人発言には注目したい。また、週末に発言がある場合には、週明けの動きに影響する可能性もあり、注意が必要だろう。本日の米国市場では、米小売売上高の発表が予定されており、前回予想外のマイナスとなったことで、米経済を下支えしていた個人消費に陰りが見られたとの見方が広がった。前回の低下が一時的だったことが示されるのか結果が注目されている。
11/15の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
10月小売売上高(前月比)
小売売上高は、米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
|
0.2% | -0.3% |
前回は、市場予想を下回り、2月以来のマイナスとなった。自動車関連、建材、食品、ガソリンスタンドなどがマイナスとなったことが影響し、米経済を下支えしていた個人消費に陰りが見られた。今回は、プラス改善が予想されており、前回のマイナスが一時的だったことが示されるのか注目される。 | ||||
22:30 | 米国 |
11月ニューヨーク連銀製造業景気指数
NY連銀製造業景気指数は、NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
|
6.0 | 4.0 |
前回は、市場予想を上回る結果となったものの、小幅上昇に留まった。出荷が上昇したものの、販売価格、仕入価格、雇用が前月から低下した。ただ、6ヵ月先の景況指数は上昇となった。今回は、前月からの上昇が予想されており、予想通りの結果なら5月以来の高水準となることから注目したい。 |