前営業日トピックス
東京市場では、日本市場の休場で新規材料に乏しい中、全般的に小動きの展開となった。ただ、米中通商問題に関する先行き不安が意識されたことから、ドル円・クロス円が下落する場面もあったが、先行きを見極めたいとの思惑もあり、下値は限定的だった。
海外市場では、カナダ、米国が祝日となり、米債券市場が休場となったこともあり、序盤から小動きの展開となった。しかし、序盤から下落して始まった米主要株価指数がプラス圏まで上昇したことに加え、ムニューシン財務長官の発言を受けて、ドルは小動きながら堅調な動きとなり、ドル/円は一時108.46まで上昇した。ただ、その後は上値の重い動きが続いたが、トランプ米大統領が「トルコのシリア侵攻に抗議してトルコ制裁を発動する」と発表したことを受けて、ドルが主要通貨に対して上昇となり、ドル/円はやや底固い動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本市場が休場となり新規材料に乏しい中、先週の米中通商協議の部分的合意に対する懐疑的な見方も指摘され、序盤はやや上値の重い動きとなった。ただ、中国株が堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(2)中国が米国との第1段階の合意署名の前にさらなる交渉を希望との報道を受けて、米中通商協議の先行き不安が意識され、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、一段の下げとなったが、108.04までの下落にとどまり、108円台を維持した。
(3)米国がコロンブスデーの祝日で債券市場が休場となり、市場参加者が少ない中、序盤から下落して始まった米主要株価指数がプラス圏まで上昇したことや、ムニューシン財務長官が「先週の米中通商協議はかなり進展した」、「第1段階合意に向けて協力していく」と発言したことも加わり、ドルは堅調な動きとなり、ドル/円は108.46まで上昇した。
(4)アジア時間に付けた108.52に到達できなかったことから、その後はやや上値の重い動きとなった。ただ、終盤にはトランプ米大統領が「トルコのシリア侵攻に抗議してトルコ制裁を発動する」と発表したことを受けて、ドルがスイス・フランや円を除く主要通貨に対して上昇となり、ドル/円もやや底固い動きとなった。
本日のトピックス
連休明けの東京市場では、ドル/円が108.45まで上昇したものの、前日の米国市場の高値である108.46まで到達できずに失速している。本日はここを上抜けられるのかが注目されている。また、108.50より上には実需の売りオーダーも観測されていることから、この近辺が上値のポイントと見られている。
欧州市場では、ドイツ、欧州のZEW景況感調査の発表が予定されており、ドイツの現況指数はここまで3ヵ月連続の低下となり、2010年以来の低水準となったことから、結果が注目される。さらなる低下となるようなら、ユーロ相場に影響する可能性も考えられる。
米国市場では、本日発表が予定されていた10月のNY連銀製造業景気指数が前倒しで昨晩発表されたことから、本日の経済指標の発表予定はなくなった。そのため、株価やコロンブスデーで前日休場となった債券市場の動きが注目される。また、米中通商問題、トルコ制裁に関する報道にも注目したい。