前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が堅調な動きとなったことに加え、仲値公示にかけて実需のユーロ買い・円売りフローが観測されたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。午後に入り、中国の貿易収支が良好な結果となったことや、株価が底固い動きが続いたことも下支え要因となり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された3月の米輸入物価指数が市場予想を上回ったものの、4月のミシガン大消費者信頼感指数が予想を下回る結果となったことを受けて、ドルはやや上値の重い動きとなった。しかし、好調な米企業決算の発表や、米国債利回りの上昇が続いたことも加わり、ドルは主要通貨に対して上昇となった。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場からの円売りが続いた流れに加え、序盤に一時マイナス圏まで下落した日経平均株価が堅調な動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、本邦企業による欧州企業の買収案件(56億ユーロ/約7163億円)に関する円売りの思惑も意識されたようだ。
(2)上昇一服後は、週末を控えた調整売りも観測されたが、新規材料に乏しい中で、日経平均株価が終盤まで底固い動きが続いたことや、中国の輸出の伸びが市場予想を上回ったことも加わり、ドル円クロス円は堅調な動きとなった。
(3)3月の米輸入物価指数が市場予想を上回ったものの、4月のミシガン大消費者信頼感指数が予想を下回る結果となったことを受けて、ドルはやや上値の重い動きも見られた。
(4)中国経済に安定の兆しが見られたことや、好調な米企業決算が続いたことを受けて、世界経済への懸念が和らぎ、投資家のリスク志向の動きが強まった。また、米10年債利回りが2.488%から2.565%まで上昇したことも加わり、ドルは主要通貨に対して上昇となり、ドル/円は3/5以来の112円台乗せとなった。また、欧米の株価が堅調な動きとなったこともあり、クロス円も底固い動きとなった。
本日のトピックス
本日から日米通商交渉が開始される予定であり、自動車関税や日本に対する通貨安の批判が警戒感されている。米中通商協議でも見られたように、米国側の強気姿勢が鮮明になる可能性も考えられることから注目したい。特に、米国の為替報告で日本は監視対象国に指定されたことから、円買い圧力が強まる可能性も考えられる。そして、先週もさえない米経済指標が見られただけに、米国の経済指標の結果も注目される。本日は、NY連銀製造業景況指数が予定されており、このところの製造業関連の指標悪化が再びクロースアップされていることから、注目したい。
4/15の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
4月ニューヨーク連銀製造業景気指数 ![]()
NY連銀製造業景気指数は、NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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8.0 | 3.7 |
前回は、市場予想に反して低下となり、2017年5月以来の低水準となった。雇用は9.7ポイントと大幅上昇となったものの、販売価格、新規受注などが軒並み低下したことが影響した。今回は改善が予想されているが、予想外のマイナスとなる場合には、影響が出る可能性もあるだろう。 |
気まぐれ投資コラム
主要6通貨に対するドルの買い越しは、2015年12月以来の高水準
CFTC(商品先物取引委員会)のIMM通貨先物の投機部門の取組(4月9日までの週)では、主要6通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル)に対するドルの買い越し額が336億ドル(前週の323億ドル)となり、2015年12月以来の高水準となりました。
円の売り越しは71520枚(前週62741枚)、ユーロの売り越しは102198枚(99184枚)、ポンドの売り越しは6516枚(9931枚)、豪ドルの売り越しは54416枚(55743枚)、カナダドルの売り越しは43202枚(44323枚)、スイスフランの売り越しは28146枚(26266枚)でした。

※出所:データを基にSBILMが作成

※出所:データを基にSBILMが作成