前営業日トピックス
米市場終了後のシドニー市場で、世界経済の減速懸念が強まったとの見方を材料に、投資家のリスク回避の動きが優勢となり、相対的に安全な通貨とされる円を買う動きが先行した。また、ストップロスも巻き込み、ドル/円は一時105円台割れまで下落し、昨年3/26以来の安値を付けた。その後は急速に値を戻したものの、上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表されたADP雇用統計市場予想を上回ったものの、その後に発表されたISM製造業景況指数が予想外の低下となったことや、米主要株価指数が軒並み下落して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。そして、一時堅調な動きとなる場面もあったが、米主要株価指数が下げ幅を拡大したことや、米10年債利回りの低下も加わり、ドル円・クロス円は終盤まで軟調な動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米アップルが中国景気の減速を理由に業績を下方修正したことで、世界経済の減速が現実味を帯びたと受け止められ、投資家のリスク回避の動きが強まり、相対的に安全な通貨とされる円を買う動きが先行した。特に、日本市場が休場で薄商いだったことも加わり、下げ幅が拡大した。加えてストップロスも巻き込み、ドル/円は一時105円台割れまで下落し、昨年3/26以来の安値を付けた。豪ドル/円も71円台前半まで下落し、2009年7月以来の安値を付けた。
(2)下げ一巡後は急速な買い戻しが入り、値を戻した。しかし、日本市場が休場で新規材料も少なく、やや値動きの大きなレンジ内の動きが続いた。
(3)序盤に発表されたADP雇用統計で、雇用者数の伸びが市場予想を大きく上回る結果となったことが好感され、ドル/円は直前のもみ合いから一段の上昇となった。しかし、その後に発表されたISM製造業景況指数が予想外の低下となったことや、米主要株価指数が軒並み下落して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は反落となった。
(4)値頃感の買い戻しもあり、ドル円・クロス円は堅調な動きが見られたものの、米主要株価指数が下げ幅を拡大したことや、米10年債利回りが序盤の2.653%台から2.542%台まで低下したことも加わり、ドル円・クロス円は終盤まで軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
急速な円買いとなった前日の動きが尾を引いて、上値の重い動きが続いている。米国市場の終了後で、日本市場の休場で薄商いとなる中で、仕掛け的な円買いとの指摘も一部であった。さらに、ストップロスも巻き込んでさらに下げ幅が拡大した。そして、大幅な下落となった後だけに、上値に対する警戒感が強く、上値の重い動きが続く可能性が考えられる。また、株価の反発や、世界経済の減速懸念の払拭が見られなければ、下落前の水準の反発はやや難しいとも考えられる。
米国市場では、米雇用統計の発表が予定されており、前回低下した雇用者数の伸びが増加すると予想されているが、反応は限定的と考えられる。しかし、失業率や賃金が良好な結果となるようなら、ドルの下支え要因となる可能性も考えられる。また、前日大きく下落した株価が反発するようなら、押し上げ要因となる可能性もあるだろう。
1/4の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
12月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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+18.0万人 | +15.5万人 |
前回は、市場予想を下回り、2ヵ月ぶりの低い伸びとなった。今回は、前回から伸び幅が改善すると予想されているが、安定的な伸びとされる+20万人には届かないと予想されている。ただ、失業率が約50年ぶりの低水準を維持していることもあり、予想を上回る結果となるようなら、ドルの下支え要因となる可能性も考えられる。 |