前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。そして、日経平均株価が上昇して始まり、上げ幅を拡大したことを受けて、投資家のリスク志向が強まり、相対的に安全資産とされる円を売る動きが優勢となった。しかし、午後に入り、株価が上げ幅を縮小したことを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、米住宅関連の経済指標が冴えない結果となったことや、米長期金利の低下などもあり、ドル円・クロス円は序盤から軟調となった。そして、注目されたFOMC議事録では、漸進的な利上げペースの維持で意見が一致したことが明らかとなったことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、米株式市場では、米企業決算がまちまちの結果となったことや、米国の金利上昇懸念を背景に、米主要株価は小幅安となった。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)米経済指標が良好な結果となったことや、米主要株価が軒並み大幅上昇となったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比400円以上の上昇となったことを受けて、一段の上昇となった。
(2)日経平均株価が上げ幅を縮小したことに加え、米長期金利が低下したことを受けて、円を買い戻す動きが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3) 米住宅着工件数、建設許可件数が冴えない結果となったことや、米長期金利が3.17%台から3.14%台に低下したこともあり、ドル売り・円買いが優勢となった。一方、イタリアの財政問題への警戒感などを背景に、ユーロは円やドルに対して上値の重い動きが続いた。
(4)その後は、サウジ問題など根強い地政学的な緊張や、長期金利が上昇したことがドルの下支え要因となり、ドルは底固い動きとなった。そして、FOMCで漸進的な利上げペースの維持がメンバー全員で一致したことが明らかになり、米国の金利上昇観測から、ドルは主要通貨に対して堅調な動きが続いた。また、米長期金利が3.20%台まで上昇したこともドル上昇に寄与した。
本日のトピックス
為替条項や日米通商協議について警戒感の残る中、内外の株価、金利動向が相場を左右する動きが続いている。当面は、大きく下落した主要株価がどこまで値を戻すのかが注目されているが、リスクに対する警戒感は払拭されていない。株価が戻りきれずに下落となるようなら、再びリスク回避の動きが強まる可能性も想定しておきたい。また、欧州ではEU首脳会議が本日まで行われており、英EU離脱問題に関する議論の結果や要人発言などには注目したい。
10/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数 ![]()
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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21.0万件 | 21.4万件 |
前回は、市場予想に反して増加となった。今回は、若干の減少が予想されているものの、上陸したハリケーンの影響が出ている可能性も指摘されており、予想外の結果となることにも警戒したい。 |
本日のトレードポイント

※出所:FX総合分析チャート 日足
ドル/円は、一目均衡表の基準線を下抜けて一段の下げとなったが、雲近辺で底固い動きとなり値を戻している。目先は、基準線を上回るかどうかに注目したい。また、オシレーターのMACDでは、両線下向きだが、乖離幅は縮小傾向にあり、先行するラインが上向きに転換するのかにも注目したい。 ただ、基準線・転換線がクロスしており、今後遅行スパンが価格帯を下抜け、雲を下抜ける場合、一目均衡表では三役逆転の売りシグナルとなることから、一応注意して見ておきたい。
上値のポイント
(1)112.86(基準線)(2)113.00(重要レジスタンス)(3)113.28(レジスタンス)
下値のポイント
(1)112.42(サポート)(2)112.02(重要サポート)(3)111.73(サポート)