前営業日トピックス
日本や中国などの市場が休場となり、アジア市場は序盤から狭いレンジ内の動きが続いた。ただ、香港株が一段の下落となったことが影響し、ドル円・クロス円は軟調となる場面もあった。その後は、米国債利回りの上昇を背景に、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調となった。
米国市場では、予定されていた米中間の通商協議が取りやめとなったことを受けて、貿易を巡る緊張が高まったことに加え、米シカゴ連銀全米活動指数やダラス連銀製造業指数が予想を下回ったことを受けて、ドル円・クロス円は軟調となった。その後は、米国債利回りが上昇したことで、日米金利差拡大を意識したドル買い・円売りが優勢となり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本市場が秋分の日の振替休日、中国市場が中秋節で休場となる中で新規材料に乏しく、序盤からドル円・クロス円は小動きの展開が続いた。しかし、軟調な動きとなっていた香港株が一段の下落となったことや、欧米の株価先物指数が軟調な動きとなったことも加わり、ドル円・クロス円は軟調となる場面があった。
(2)米国債利回りが上昇となったこともあり、堅調な動きとなった。また、イタリアで予算に関するトップ会談が実施されているとの報道を受けて、ユーロは堅調な動きとなった。さらに、ドラギECB総裁がユーロ圏の基調的なインフレ率に比較的力強い上昇が見込まれると述べたことを手掛かりにユーロ買いが優勢となり、一時対ドルで6/14以来の高値を付けた。その後、予定されていた米中間の通商協議が取りやめとなったことを受けて、貿易を巡る緊張が高まったことに加え、トランプ大統領の解任を画策したと伝えられたローゼンスタイン司法副長官の辞意が報じられ、政権混乱への懸念も圧迫要因となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)米国債利回りが再び上昇したことで、日米金利差拡大を意識したドル買い・円売りが優勢となり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
本日のトピックス
海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円はやや堅調な動きが続いているものの、日本時間の今朝開始予定だった日米通商協議(FFR)が今夜に延期されたことから、様子見ムードから限定的な動きが考えられる。
米国市場では、日米通商協議の内容が注目される。また、上昇が続く米国債利回りにも注目が集まっている。3%台に乗せた7年債、10年債利回りや、3.25%の壁の突破が目前に迫ってきた米30年債利回りの行方に注目が集まっている。米国の金利上昇となると、日米金利差拡大が意識されてドル買い・円売りとなる。また、9/26のFOMCでの米利上げが確実視されていることも金利の下支え要因となるだろう。
9/25の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
9月消費者信頼感指数 ![]()
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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132.0 | 133.4 |
前回は、市場予想を大幅に上回り、2000年10月以来17年ぶりの高水準となった。また、現況指数も2000年12月以来の高水準となった。今回は、若干の低下が見込まれているものの、依然として高水準域を維持すると予想されている。引き続き消費支出の下支え要因となり、ドルの押し上げ要因となる可能性が考えられる。 | ||||
23:00 | 米国 |
9月リッチモンド連銀製造業指数 ![]()
リッチモンド連銀製造業指数は、米国の12連邦準備銀行の1つであるリッチモンド地区連銀が発表している製造業指数。1993年から算出が開始されており、NY連銀、フィラデルフィア連銀が発表する指数と合わせて製造業の景況を確認できる。管轄はウェストバージニア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ワシントンDCなど。管轄地域は米国内生産の9.1%を占める。
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21 | 24 |
前回は、市場予想を上回り、2月以来の高水準となった。今回は、前回からの低下が予想されているが、米国の製造業の景況感を見極める上で注目される指標の一つであることから、予想以上の低下はドルを圧迫する可能性もあり、注目したい。 |