前営業日トピックス
東京市場では、海外市場終盤の流れを受けて、底固い展開で始まった。序盤は、堅調な動きが見られたものの、期末を控えた輸出企業のドル売り・円買いに押された。そして、自民党総裁選の結果を受けてやや動きが出たものの、値動きは限定的となった。その後、欧州主要株価が堅調な展開で始まったものの、ドルは上値の重い動きが続いた。ユーロやポンドなどは非公式のEU主要会議を睨み、堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀景況指数が良好な結果となったことや、欧米の株価上昇、また米国債利回りが上昇したことを受けて、投資家のリスク志向が高まり、相対的に安全な通貨とされる円を売ってドルを買う動きが優勢となった。そして、米株式市場では、ダウ平均株価、S&P500が終値ベースで過去最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)世界的な株高を背景に、投資家のリスク志向が強まっており、序盤のドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後は、期末を控えた輸出企業のドル売り・円買いの影響を受けて、ドル円は一時112.09まで下落した。
(2)自民党総裁選の結果発表を控えて様子見からやや下値は限定的となった。そして、自民党総裁選では、安倍首相553票、石破元幹事長254票となり、安倍首相の3選が決定した。マーケットでは、安倍首相が圧勝すると見られていたが、石破元幹事長が善戦したことで、日本株が現物、先物ともマイナス圏に下落となり、ドル円・クロス円も一時下押しした。しかし、その後は買いが優勢となり、堅調な動きとなったが、やや上値の重い動きが続いた。
(3)米失業保険申請件数が約48年10ヵ月ぶりの低水準となったことや、フィラデルフィア連銀景況指数が予想を上回る良好な結果となったことが好感され、ドルは序盤から堅調な動きとなった。また、米長期金利の指標となる10年債利回りは一時3.10%まで上昇し、5月中旬以来の高水準となり、ドル買い・円売りとなったことに加え、米主要株価が堅調な動きとなったことがドル円・クロス円の押し上げ要因となった。ただ、ドル円は112.50近辺では上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
マーケットの注目はFFR(日米通商協議)に移っている。米国側は、あくまでも2国間交渉を優先する意向であるが、日本側は2国間交渉を拒否している。また、トランプ大統領は、先日「合意ができなければ、大きな問題になる」と警告したことで、日本に対しても厳しい要求が出てくる可能性がある。特に自動車への関税に関する交渉が注目されている。そして、協議までは当局者や要人発言(牽制的な発言)で思惑が交錯する可能性があるだろう。
来週の米FOMCでは利上げが確実視されており、米金利先物市場での利上げ予想確率も100%まで上昇している。すでにマーケットには織り込まれていると考えられることから、利上げ期待がドルの更なる押し上げ要因とはなり難いだろう。ここからのドル上昇には、新たな材料が必要となるが、本日は主要な米経済指標の発表がないことから、株式市場や米国債利回りの動きが注目されるだろう。