前営業日トピックス
東京市場では、序盤に日銀金融政策決定会合の「主な意見」が公表されたが、反応は限定的となった。その後は、年末年始で市場参加者が少なく、新規材料に乏しいことから、狭いレンジ内の動きが続いた。しかし、午後には北朝鮮がミサイル発射の初期の兆候を確認との報道を受けて、リスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。下げ一巡後は、値を戻したものの、上値の重い動きが続いた。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)新規材料に乏しい中、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開が続いた。そして、日本では本日が年内の仕事納めという企業も多く、実需筋などの取引も閑散としていた。また、日銀が金融政策決定会合で出た「主な意見」を公表し、金利水準の調整や、上場投資信託(ETF)買い入れの副作用について意見が出たことが明らかとなったが、マーケットの反応は限定的だった。
(2)北朝鮮がミサイル発射の準備か、初期の兆候を確認との報道を受けて、投資家のリスク回避の動きが強まり、日経平均株価が下げ幅を拡大したことから円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)円買い一巡後、米国市場ではシカゴ購買部協会景気指数が良好な結果となったが、反応は一時的となり、終盤まで狭いレンジ内の動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、株式市場が大納会となるため、それ以降は市場参加者がより少なくなり、限定的な動きが考えられる。ただ、昨日北朝鮮絡みの報道を受けてリスク回避の動き強まる場面もあり、年末年始の休暇期間中のリスクを意識したポジション調整の動きが加速する可能性も考えられることから注意したい。
米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、年末年始を控えて小動きの展開が予想される。また、南アフリカの裁判所が、29日にズマ大統領の弾劾を巡り判断を下す可能性があることから、結果が報道される場合には、ランドに動きが出ることも想定しておきたい。
気まぐれ投資コラム
トランプ米大統領就任1年目のマーケットは?歴代との比較
2016年11月の米大統領選でトランプ氏が次期大統領に選出され、今年1月に正式に米国大統領に就任しました。米大統領就任1年目のマーケットでは、ドル高・株高となる傾向があります。過去の大統領選後の就任1年目(2期目1年目含む)のドル/円相場では、1993年のクリントン大統領(1期目)の時にドル安となりましたが、それ以外は大統領就任1年目はドル高となっていました。
今年のドル/円の始値は117.52円、現在112円台で推移しており、大統領就任1年目としては1993年以来24年ぶりのドル安がほぼ確定的となっています。ドル安は、米国にとって輸出が有利になる一方、インフレ率を低下させることから、インフレ率を上昇させたい状況ではデメリットとなります。

※出所:価格データを基にSBILMが作成
では、大統領就任の翌年は?
表の期間においては、7回中5回が翌年に円高となっており、その平均幅は12.32円幅、最大はクリントン大統領2期目2年目の16.51円幅でした。因みに、大統領就任1年目に円高となった1993年の翌年は12.22円幅の円高となっており、今年円高となりましたが、来年のドル/円相場の行方はどうなるでしょうか。
一方、ダウ平均株価でみると、J・W・ブッシュ大統領の1期目と2期目以外は株価上昇となっており、2017年も28日までで約5,000ドル弱の上昇となっています。1990年、2002年以外は翌年も株価は上昇となっています。

※出所:価格データを基にSBILMが作成