前営業日トピックス
東京市場では、実需のドル買いに加え、豪州の雇用統計の結果を受けて、豪ドル/円が大きく上昇となり、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。しかし、その後に発表された中国の経済指標がいずれも予想を下回る結果となったことから、関連の高い豪ドルが反落となり、円が買い戻される動きとなった。また、北朝鮮報道官の日本に対する発言を受けて、リスク回避が意識されたことも影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
その後、英中銀の金融政策発表を受けて、ポンド買いとなり、円が売られる動きとなった。そして、米国市場では、北朝鮮でミサイル発射の兆候との報道を受けて、円が買われる場面もあり、その後の米国の良好な指標結果を受けて反発したものの、リスク回避の動きが意識され上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)序盤は小動きの展開となったが、仲値公示にかけて本邦輸入企業のドル買い・円売りが出たほか、下落して始まった日経平均株価がプラスに転換したことも支援材料となった。また、オーストラリアの就業者数が市場予想を大幅に上回ったことなどを受けて豪ドル買いとなり、豪ドル/円が7/28以来の高値まで上昇したことで、円が主要通貨に対しても下落となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)中国で発表された経済指標が予想を下回ったことで、中国と貿易上の関係が深いオーストラリアの豪ドルが高値圏から下落となり、円が買われる動きとなった。また、米国債利回りが上げ渋ったことも影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。そして、北朝鮮の報道官が声明を出したことで、リスク回避が意識されたこともやや影響した。
(3)英中銀が、政策金利を過去最低に据え置いたものの、近い将来に金融緩和措置の縮小が必要になる可能性があるとの認識を示したことを受けてポンドが主要通貨に対して大きく上昇となった。ポンド/円は、2016年12月以来の高値を付ける動きとなったことで、円が主要通貨に対しても売られる動きとなった。
(4)北朝鮮でミサイル発射の兆候との報道を受けて、リスク回避の円買いとなる場面もあったが、米経済指標が市場予想より良好な結果となったことで、ドル買い・円売りとなり、ドル/円は一時8/4以来の111円台まで上昇した。ただ、ドル買い一巡後は、ドルは主要通貨に対して軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、早朝に北朝鮮がミサイルを発射したことから、リスク回避の動きも意識され、上値の重い動きが続く可能性も考えられる。また、3連休を控えた週末の五十日(ごとおび)であり、実需の動きが活発となる可能性も考えられることから、仲値公示近辺の動きには注目したい。ただ、仲値通過後は、日本の主要な経済指標の発表もなく、限定的な動きが考えられる。また、日経平均株価の動き(再び2万円の大台をトライするのか)にも引き続き注目したい。米国市場では、主要な米経済指標の発表が続くことから、結果を受けた動きに注目したい。
9/15の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
8月小売売上高(前月比)
小売売上高は、米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
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0.1% | 0.6% |
前回は、市場予想を上回り、昨年12月以来の高い伸びとなった。幅広い分野で上昇となったことで、堅調な個人消費が示唆された。今回は、その反動から伸び幅が一服すると見られているが、大きな懸念にはならないだろう。むしろ、現状では来月の結果が懸念されている。 | ||||
23:00 | 米国 |
9月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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95.0 | 96.8 |
前回は、市場予想を下回る結果となったものの、3ヵ月ぶりの高水準となった。ダウ平均株価が、8月序盤の高値から500ドル以上下落し、現況指数が低下したことがやや圧迫要因となった。その後、株価は上昇しているものの、8月末のハリケーンの影響も若干指数に影響する可能性も考えられる。 |