前営業日トピックス
東京市場では、北朝鮮情勢を巡る警戒感が一旦後退したことなどを受けた、円売り・ドル買いの動きが一服し、序盤からやや上値の重い動きが続いた。また、上昇が続いていた米国債利回りが低下したことも影響し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、110円台割れ近辺では底固い動きが続いた。
米国市場では物価関連の経済指標が予想を下回ったものの、前回から改善したことで、再び堅調な動きとなった。また、トランプ政権の税制改革への期待感が高まったこともドルの押し上げ要因となった。ドルは大半の主要通貨に対して堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)円安が急ピッチで進んだため、やや調整売りが先行した。また、110円台乗せとなったことで、実需のドル売りが出ているほか、短期筋による調整売りも流入し、上値が重い動きが続いている。
(2)仲値公示近辺では、売り買い交錯する動きとなったものの、仲値通過後は上昇して始まった日経平均株価が伸び悩んだことや、上昇していた米長期金利が低下したことなどを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。また、欧州主要株価が下落して始まったことも影響して、一段の下げとなる場面もあった。
(3)110円台割れ近辺では底固い動きが見られる一方、急激なドル高・円安が進んだこともあり、110円台では利益確定の売りも入っており、もみ合いの展開が続いた。
(4)トランプ政権の税制改革の骨子が近く発表になるとライアン下院議長が明らかにしたことを手掛かりに、米国の税制改革実現への期待感からドル買いが優勢となった。また、米国債利回りの上昇が続いたことも加わり、ドルは大半の主要通貨に対して上昇となった。特に、ドル/円は、一時8/16以来の高値を付ける場面もあった。
本日のトピックス
東京市場では、午後に日本の主要な経済指標の発表が予定されているが、豪州の雇用統計、中国の主要な経済指標の発表も予定されており、結果には注目したい。ただ、マーケットの注目は来週の米FOMCに移っており、予想の範囲内の結果なら反応は限定的だろう。
そして、米国市場では、米消費者物価指数の発表が予定されており、良好な結果となれば、年内の追加利上げに対する期待感が高まり、ドル買いの支援要因となる可能性も考えられる。一方、マーケットでは、米株価の高値警戒感も出始めていることから、株価が大きく調整となる場合には、為替市場にも影響が出る可能性もあるだろう。
9/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
8月消費者物価指数(前月比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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0.3% | 0.1% |
前回は、前月比で2ヵ月連続のマイナスからプラスに改善となり、前年比でも5ヵ月ぶりに上昇に転じた。今回は、前月比で前回からの上昇が予想されており、FOMCを控えて注目度も高まっている。そのため、前年比、コア指数の結果などにも注目したい。良好な結果となるようなら、ドル買いに寄与する可能性もあるだろう。 | ||||
21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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30.0万件 | 29.8万件 |
前週は、米国のハリケーンの影響で申請件数は大きな伸びとなった。引き続きハリケーンの影響が続く可能性も考えられ、マーケットでは2015年2月27日の週以来の30万件が予想されている。ただ、洪水の影響で申請できなかったケースも出ており、結果のブレが大きくなる可能性も想定しておきたい。 |