前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が小幅上昇で始まったことなどを受けて、序盤は堅調な動きとなった。また、実需のドル買いが見られたものの、110円台近辺では一部輸出企業のドル売りも見られ、仲値公示近辺から軟調な動きとなった。
その後は、英総選挙や米FBI前長官の公聴会、ECB理事会を控えて様子見ムードも強まっており、限定的な動きが続いた。その後、日銀の金融緩和の出口戦略に関する報道を受けて円が買われる動きとなった。
また、注目されていたコミーFBI前長官の議会証言では、ロシアによる米大統領選干渉疑惑に関する新たな情報は示されなかったとの見方や、英国の総選挙の結果に対する不透明感を背景に、ドルは上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)早朝に北朝鮮がミサイルを発射したものの、相場の反応はほとんど見られなかった。日経平均株価が小幅上昇で寄り付いたことや、米長期金利の上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、110円台乗せまで上昇した。
(2)110円台を想定為替レートに設定している輸出企業などからのドル売りもあり、仲値公示前後にはドルは軟調な動きとなった。その後は、英総選挙などのイベントを前に様子見ムードも強く、限定的な動きとなった。
(3)日本銀行が異次元緩和の出口を巡る議論について時期尚早としていた姿勢を改め、市場との対話を重視する方向に修正しつつあるとの報道を受けて、円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、終盤に日経平均株価が下落に転じたことも影響した。
(4)ドル下落に対する反動の買い戻しの動きに加え、米国債利回りが上昇したことで、日米の金利差拡大が意識され、ドル買い・円売りが優勢となった。
(5)ECBがユーロ圏のインフレ率の予想値を下方修正したことからユーロが下落となり、ドル円・クロス円はこの動きに連れて軟調な動きとなった。その後、一旦低下していた米国債利回りが再び上昇したことを受けて、ドルを中心に堅調な動きとなった。ただ、英総選挙の投票結果を見極めたいとの思惑も強く上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、英国の国民投票の開票結果が注目されるが、朝方公表された出口調査の結果を受けてすでに大きく動きが出ており、出口調査との乖離がある場合には動きが出る可能性が考えられる。また、ポンド以外の通貨への影響は限定的だろう。出口調査通りの結果となるようなら、与党も野党第1党も単独過半数に届かないことから、結果判明からの連立工作の動きが影響する可能性が考えられる。
米国市場では、主要な経済指標の発表がなく、前日のコミー前長官の議会証言で新たな情報がなかったとの見方から反応は限定的となったが、すでにマーケットでは来週のFOMCに注目が移っていることから、やや限定的な動きが考えられる。