前営業日トピックス
東京市場では、北朝鮮情勢の警戒が和らいだことや、トランプ米大統領の税制改革案への期待を背景に、安全資産とされる円を売る動きが先行した。また、やや一服するとの見方もあったが、日経平均株価が堅調な展開で始まり、4営業日続伸となったことも好感され、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
米国市場では、主要な経済指標の発表がなかったものの、米財務長官の発言を受けて、ドル買いが優勢となった。そして、注目された米税制改革案の骨子が公表されたことを受けて、ドル円は一時3月31日以来の高値を付ける動きとなったものの、財源確保などに対する懸念もあり、終盤にかけて軟調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が堅調な展開で始まったことを好感して、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。そして、ECBが緩和解除示唆を検討との報道を材料にユーロ買いが続いており、ユーロ/円は121.86まで上昇し、3月17日以来の高値を付ける動きとなった。
(2)スポット取引の月末となり、仲値公示近辺では、輸出企業のドル売りも見られたが、影響は限定的だった。
(3)日経平均株価が終盤にかけて上げ幅を拡大する動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、堅調な動きが続いた欧州株に一服感が出て、やや上値の重い動きとなったことに加え、トランプ米大統領の税制改革案を見極めたいとの思惑も加わり、やや上値の重い動きとなった。
(4)ムニューシン米財務長官が発表されるトランプ大統領の税制改革案が史上最大の減税になると発言したことが好感され、ドルが主要通貨に対して上昇となった。ただ、米債券利回りが低下したことから、ドルも一転して下落となった。そして、税制改革案の骨子が公表されたことを受けてドルが買われたものの、所得別の減税率や、減税の財源をどうするかなどの詳細の公表は5月以降に先送りされたこと受けて、ドルは軟調な動きとなった。また、株価や米債券利回りの低下も影響し、クロス円も軟調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、前日の米国市場で主要株価がマイナス圏に下落したこともあり、堅調な動きが続いている日経平均株価の動きに影響が出るのか注目したい。そして、実需の動きも連休が意識されることから、連休後まで一旦落ち着く可能性も考えられる。
米国市場では、昨日トランプ大統領の税制改革案の骨子が公表されたが、減税率や詳細公表が先送られたことなど、事前の発言通りの結果となったことから、やや限定的な動きが考えられる。ただ、ホワイトハウスがヘルスケア法案の採決を28日か29日に推進との報道があったことから、関連する要人発言などに注目したい。
また、マーケットでは、111円台後半まで上昇したことから、上昇一服との見方も出ており、指標結果や発言をきっかけとした下振れには注意したい。
4/27の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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1.3% | 1.8% |
前回は、市場予想を下回り、前月から伸びが低下したが、2ヵ月連続のプラスとなり、変動の激しい輸送機器を除いた受注は前月を上回り、8ヵ月連続のプラスが続いている。今回は、前回から伸び幅が低下するものの、プラスは維持されると予想されている。特に、コアの伸びに注目したい。 | ||||
23:00 | 米国 |
3月中古住宅販売仮契約(前月比)
中古住宅販売仮契約は、全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。
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-1.0% | 5.5% |
前回は、市場予想を上回り、2010年7月以来の大幅な伸びとなった。季節的な要因で大きく増加したが、住宅価格は改善されていないことや、販売される住宅物件がやや少ないこともあり、前回からの反動で契約数が低下すると予想される。 |