前営業日トピックス
東京市場では、朝鮮半島情勢の懸念や、米国の利上げペースがより緩やかになるとの思惑を背景に、序盤からドル売り・円買いが優勢となった。
ドル/円は一時108.13まで下落し、5ヵ月ぶりの安値を付ける動きとなった。その後は値を戻す動きとなったものの、欧州主要市場がイースターマンデーで休場となり、新規材料に乏しいことから、小動きの展開が続いた。
米国市場では、序盤堅調な動きとなったものの、緩慢な利上げペースに対する懸念が改めて意識されたことや、米経済指標が予想を下回る結果が続いたことで上値の重い動きが続いた。
ただ、終盤にかけて株価が上げ幅を拡大する動きとなったことや、米債券利回りの上昇、米財務長官の発言を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週末の北朝鮮のミサイル発射が失敗に終わったことや、北朝鮮に関して大きな事件が起こらなかったことで安堵感などもあり、ギャップアップで始まった。しかし、前週末に発表された米経済指標がやや弱めだったことから、米国の利上げペースが緩慢なものになるとの思惑を背景にドル売りとなった。
(2)朝鮮半島情勢に対する懸念が依然として高いことから、投資家の消極姿勢が強まり、ドル/円は11月15日以来の安値を付ける動きとなった。
(3)値頃感のドル買い戻しで値を戻す動きとなったものの、欧州主要市場がイースターで休場となり、新規材料に乏しかったことから、限定的な動きが続いた。
(4)米国市場では、序盤堅調な動きとなったものの、朝鮮半島を巡る緊張に加えて、日米経済対話を控えて円を買う動きも見られ、上値の重い動きとなった。しかし、株価が上げ幅を拡大する動きとなったことや、米債券利回りの上昇、また米財務長官が「強いドルは長期的には好ましい」と発言したことが影響し、ドルは堅調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、主要な日本の経済指標の発表がないことから、やや限定的な動きも予想される。ただ、日米経済対話が予定されており、米側から円安をけん制する発言が出る可能性も指摘されており、内容によっては、為替市場で動きが出る可能性もあることから注目したい。
米国市場では、主要な経済指標の発表が予定されており、結果に注目したい。特に、最近の米経済指標の結果を受けて、米国の利上げペースが緩やかになるとの見方が強まっていることから、不満が残る結果となる場合には、改めて利上げペースに関する思惑が意識される可能性も考えられる。
4/18の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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125.0万件 | 128.8万件 |
前回は市場予想を上回り、4ヵ月ぶりの高水準となり、引き続き高水準を維持した。特に、一戸建て住宅が10年ぶりの高水準となったことが影響した。今回は、前回からの低下が予想されているが、予想の範囲内なら大きな懸念にはならないだろう。 | ||||
21:30 | 米国 |
3月建設許可件数
住宅建設許可件数は、住宅建設の許可申請の発行数を集計した経済指標である。そして、住宅建設は自治体に許可申請を行わなければならないため、住宅建設の先行指標となる。また、ローン金利の動向などに左右される面もあり、他の住宅関連指標同様に景気動向を見る上で重要な指標として注目されている。
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125.0万件 | 121.6万件 |
前回は、市場予想を下回り、1月に付けた2015年6月以来の高水準から、3ヵ月ぶりの低水準に反落した。今回は前回からの改善が予想されているが、3月も住宅ローン金利の上昇が続いており、その影響が出る可能性も一部では指摘されている。 |