前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しい中、日経平均株価が下落して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、仲値公示前後にかけて実需のドル買いが見られたことや、株価がプラスに転じたこともあり、堅調な動きも見られた。
その後は、株価が上値の重い動きが続いたことや、英国でのテロ問題、米国のオバマケア代替法案の採決を控えて思惑も交錯し、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。米国市場でも、オバマケア代替法案の採決に絡む思惑や、経済指標の結果を背景に、動きが見られたものの値動きは限定的となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)トランプ米大統領の経済政策の実現性を巡る懸念や、日経平均株価が下落したことを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、仲値公示を挟んで本邦輸入企業からのドル買い・フローも入り、ドル/円は堅調な動きとなった。
(2)日経平均株価がプラスに転じる動きとなったものの、日本の参院予算委員会で森友学園の籠池氏の証人喚問が行われていたことや、トランプ氏の政策などに対する楽観的な見方が後退しているとの見方を背景に、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
(3)米雇用関連の経済指標が悪化したことや、オバマケア代替法案の可決に必要な票数を確保できないとの思惑などから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。特に、ドル/円は11月22日以来の安値を更新した。
(4)オバマケア代替法案に95%が賛成との一部報道を受けて、一転してドル買いとなったものの、代替法案が可決する可能性に関して依然として不透明感があるとの見方から上値の重い動きとなった。その後、代替法案の採決が24日以降に延期されたことを受けて、終盤まで軟調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、3月15-16日の日銀金融政策決定会合での主な意見の公表や、日本の景気関連の経済指標の発表が予定されており、結果に注目したい。また、事実上の週末の五十日(ごとおび)にあたることから、仲値公示近辺などでの実需のフローが出る可能性もあるだろう。
米国市場では、米下院で23日中の実施が予定されていたオバマケア代替法案の採決が延期されたが、引き続き議論が続いている。本日採決される可能性もあることから注目したい。ただ、昨日も採決に関する思惑が交錯し、乱高下する場面もあったことから、採決まではやや荒っぽい動きとなる可能性も想定しておきたい。
3/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
2月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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1.4% | 2.0% |
前回は、市場予想を上回る結果となり、3ヵ月ぶりにプラスに改善した。今回は、やや伸び幅が低下すると予想されているものの、引き続き堅調な結果が続くのか注目したい。また、輸送機器を除いた指数では、1月の速報値で7ヵ月ぶりにマイナスに落ち込んだこともあり、コア指数の結果にも注目したい。 |