前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、序盤から堅調な動きとなった。また、日経平均株価が堅調な動きとなり、上げ幅を拡大する動きとなり、投資家のリスク志向から円売りが優勢となった。そして、米国の利上げ期待の高まりを背景としたドル買いも続いていた。
しかし、米雇用統計では、非農業部門雇用者数が市場予想を上回る結果となったものの、発表後はドルが軟調な動きとなった。その一方で、ユーロはQE(量的緩和)終了前に利上げが可能か協議したとの関係者の話を受けて、堅調な動きとなった。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)115円台に乗せ買いが先行した。ただ、利益確定の動きが出る反面、日経平均株価が上昇して始まったことや、五十日(ごとおび)の実需のドル買いなども観測され、仲値公示近辺までドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)米国の追加利上げ観測が高まっていることに加え、その後の利上げペースも早まるとの観測が広がっていることを背景に、ドルは堅調な動きとなった。また、日経平均株価が大幅に上昇し、投資家の積極姿勢が強まったことも、安全資産とされる円を売る動きにつながった。
(3)米雇用統計では、非農業部門雇用者数が予想を上回り、失業率の改善、賃金の伸びが確認される結果となったが、水曜日に発表されたADP雇用統計が大幅増となったことで期待値が高まっていたこともあり、ドル売りで反応した。また、利益確定の動きも加わり、ドルは反落となった。
(4)午後には一時115円台まで値を戻したものの、上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
東京市場では、日本の経済指標の発表が予定されているものの、FOMCや米予算教書、日銀金融政策発表を控えており、積極的には動きにくいことから、限定的な動きが続く可能性が考えられる。
ただ、株価や債券利回りなどが動く場合には、為替についても動きが出る可能性もあるだろう。米国市場では、主要な経済指標の発表がないなど、新規材料に乏しいものの、大きく下落していた原油価格などの動きには注目したい。