前営業日トピックス
東京市場では、日米の株高を受けて、比較的安全な資産とされる円を売る動きが先行しており、序盤のドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、日経平均株価が上げ幅を縮小したことから、反落する場面もあったが、終盤にかけて堅調な動きとなったことや、欧州主要株価が堅調な展開で始まったことから再び堅調な動きとなった。米国市場では、米債券利回りの低下や原油価格の下落を背景に軟調な動きが続いたが、中盤以降は米主要株価が上げ幅を拡大する動きとなり、最高値を更新する動きとなったことが材料視され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日米の株価上昇を材料に、序盤は堅調な動きとなった。また、オーストラリアの第3四半期GDPが市場予想を下回ったとことから、豪ドル/米ドルが下落となり、ドルは対円でも買われたことも影響した。
(2)日経平均が一時上げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル/円は一時114円台割れまで下落する動きとなったが、この水準で国内輸入企業のドル買い・円売りに加え、投機筋の買いも散見され、ドル/円は堅調な動きとなった。
(3)材料に乏しい中、米債券利回りの低下が影響し、ドル売り・円買いが優勢となった。
(4)米債券利回りの低下に加え、石油在庫統計の結果などを受けて原油価格が下落したことが影響し、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。しかし、米ダウ平均株価が初めて19500ドル台乗せとなったことや、S&P500指数も最高値を更新する動きとなり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、米ダウ平均など米主要株価が前日に最高値を更新する動きとなったことを受けて、日経平均株価も堅調な動きとなるのか注目したい。また、中国の主要な経済指標の発表も予定されており、結果に対する影響にも注目したい。
そして、ECBの定例政策委員会では、主要な政策金利の変更の可能性はないとの見方がコンセンサスとなっている。しかし、来年3月以降も量的緩和策を延長するとの観測も出ていることから、継続する可能性があるのかにも注目したい。そして、ドラギ総裁の定例会見も予定されており、会見での発言にも注目したい。
一方、米国では来週のFOMCを控えてブラックアウト期間に入っており、経済指標の結果にもやや反応に乏しい動きとなっている。その中で材料視されるのが株価や米債券利回りとなることから、これらの動きにも注目したい。
12/8の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:45 | 欧州 |
ECB理事会、金融政策発表
ユーロ圏の統一的な金融政策を担う最高意思決定機関。理事会は、総裁・副総裁を含む幹部6人と、ユーロ圏各国の中銀総裁で構成され、原則として月に2回、ドイツのフランクフルトのECB本部で定例会合を開く。会合終了後は、ECB総裁が会見を実施する(議事録は公開していない)。
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主要な政策金利の全てが据え置かれるとの予想がコンセンサスとなっている。しかし、イタリアの政局不透明感から、ECBがイタリア債の買い支えをするとの見方もあり、量的緩和策を延長するとの観測も出ており、来年3月以降も継続を示唆するかどうかにも注目したい。そして、22:30からのECB総裁の定例会見での発言にも注目したい。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート 1時間足
ユーロ/米ドルは、一目均衡表の雲上限近辺での動きが続いているが、雲上限ラインが下降して価格と乖離している。ここから、更に雲上限ラインとの乖離が拡大するのか、再び雲上限ラインの近づく動きとなるのか注目したい。上値のポイントは、レジスタンスの1.0797となり、ここを上抜ける動きとなる場合には一段の上昇も考えられる。一方、サポートの1.0742、雲上限ラインを下抜ける動きとなる場合には、重要なサポートの1.0669がポイントとなる。