前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて、堅調な展開で始まった。日経平均株価が上昇して始まったことや、実需のドル買いのフローも散見され、仲値公示にかけてドル円・クロス円は堅調な動きとなった。そして、政府の経済対策の規模は27兆円、また、50年債の発行検討との報道を受けて、円売りが優勢となり、ドル/円は急上昇となった。しかし、50年債発行検討の事実はないとする財務省理財局の見解が伝わり、一転して下落となった。その後、安倍首相が経済対策の規模は28兆円を超すと発言したことから、再び上昇する場面もあったが、上値は限定的となった。米国市場では、主要な経済指標の結果が悪化したものの、FOMCを控えて限定的な動きが続いた。FOMCでは、予想通り利上げは見送られたが、短期的なリスクが後退したとの見方や、利上げを支持する委員がいたことを受けて、ドルは上昇する動きとなった。しかし、声明の内容から、利上げ期待も高まらず、終盤までドルは上値の重い動きが続いた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場で、日銀内で追加金融緩和論が浮上してきたとの記事を受けて、ドル/円はジリ高の動きとなった。日経平均株価が上昇となったことを好感して、円売りが続いた。そして、経済対策の規模が27兆円、また日本政府が景気対策で50年債の発行を検討との報道を受けて、円売りが加速した。
(2)財務省理財局が50年債発行検討の事実はないとの見解を示したことを受けて、一転して円買い戻しの動きが優勢となった。ただ、安倍首相が福岡での講演で、政府の経済対策の事業費を28兆円超とすることを明らかにしたことを受けて、再び円売りが優勢となった。乱高下が一服した後は、FOMCや日銀の金融政策発表を控えて様子見ムードが強まり、限定的な動きとなった。
(3)米国市場では、主要な経済指標が軒並み悪化となったものの、FOMCの結果発表を控えて様子見ムードも高まり、限定的な動きが続いた。
(4)FOMCでは、短期的なリスクが後退したとの見方が示されたことや、利上げを支持する委員がいたことが好感され、ドルが主要通貨に対して上昇した。しかし、経済情勢は緩やかな利上げに限って正当化されると改めて示されたことなどから、年内の利上げ期待も広がらず、終盤にかけては軟調な動きとなった。
本日のトピックス
マーケットでは、次の注目は週末の日銀金融政策発表に移っており、東京市場では主要な経済指標の発表もないことから、限定的な動きも考えられる。ただ、経済対策に関する具体的な話が出るようなら、再び動きが出る可能性も考えられることから注意したい。米国市場では、雇用関連の経済指標の発表があるものの、影響は限定的だろう。そして、最近下落基調が続いている原油価格や、上値の重い動きが続いている株価の動きにも注目したい。
7/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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26.1万件 | 25.3万件 |
前回は、市場予想を下回り、過去2番目に低い水準に並んだ。今回は、若干の増加が予想されているものの、引き続き低水準を維持すると見られていることから、懸念される材料にはならないだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
ドル/円は、一目均衡表の雲を上抜け、三役好転となったものの、その後は上値の重い動きとなり、雲の中に入り込む動きとなっている。ここから雲下限抜けとなるのか、雲上限を完全に上抜けるのか注目したい。オシレーターのMACDでは、両線がクロスしており、乖離幅が拡大傾向となっている。ここから、乖離幅が拡大する動きが続くようなら、ドル/円もやや軟調な動きが続く可能性も考えられることから、注目したい。