前営業日トピックス
東京市場では、英国のEU離脱問題の悪影響が改めて意識され、英ポンドが主要通貨に対して下げ幅を拡大。リスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。また、日経平均株価が大幅下落となったことも影響した。その後、値を戻す動きも見られたが、欧州主要株価が軒並み下落となったことを受けて、再び円買いの動きが加速した。米国市場では、下落が一服し、値を戻す動きが先行した。ISM非製造業景況指数が予想以上の改善となったことや、下落した株価がプラス圏まで上昇したことを受けて、ドル買い・円売りが優勢となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)英国のEU離脱後に政治が不安定になる恐れや、英国の商業用ファンドが過去24時間に相次いで解約を停止するとのニュースが広がったことを受けて、英ポンドが下落、対ドルで1985年6月以来31年ぶりの安値、対円では2012年12月以来の安値をつけており、リスク回避の動きから円買いが先行した。また、日経平均株価が大幅下落となったことも円買いに拍車をかけた。
(2)円買いが進んだ反動で値を戻す動きとなった。また、日経平均株価が下げ幅を縮小したことも円売り材料となった。
(3)欧州株が下落したことや、不良債権をめぐる懸念からイタリアの銀行株が続落したこと、また原油価格下落、米長期金利低下などを背景に、典型的なリスク回避の動きとなり、円買いが優勢となった。
(4)米国市場では、ISM非製造業景況指数が予想以上の改善となったことや、下落して始まった米株価がプラス圏に上昇する動きとなったことを受けて、ドル買い・円売りが優勢となった。FOMCの議事録公開では、やや限定的な反応となった。
本日のトピックス
東京市場では、英国のEU離脱問題に対する懸念が一服するのか、又は継続するのかがポイントとなるだろう。投資家のリスク回避の動きが後退し、原油の上昇や債券利回りが低下するようなら、円を売る動きが続く可能性も考えられる。ただ、引き続き先行きに対する不安が続く場合には、リスク回避の動きが続く可能性も考えられる。また、米国市場では株価が反発となったことから、日経平均株価も前日の下落から反発となるのか注目したい。そして、米国市場では、主要な米国の雇用関連の経済指標の発表が予定されており、週末に米雇用統計を控えていることから、結果に敏感に反応する可能性も考えられる。
7/7の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:15 | 米国 |
6月ADP雇用統計
民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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16.0万人 | 17.3万人 |
前回は、市場の予想通りの結果となり、ドル相場への反応は限定的となった。2ヵ月連続で+20万人を下回っており、雇用が緩やかなペースになったとの見方もある。今回は、前回から伸び幅が縮小すると予想されており、市場予想を下回る結果となる場合にはネガティブな反応となる可能性も想定しておきたい。 | ||||
21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数
労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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26.7万件 | 26.8万件 |
5月前半に29万件となり、2015年2月以来の高水準に悪化して以降、改善が続き、25万人台から27万人台で安定している。今回は、前回とほぼ同水準が予想されているが、前回の雇用統計の結果を踏まえて、市場では今回の雇用統計の結果に注目が集まっている。そのため、雇用関連の指標にも必然と注目が集まるだろう。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート1時間足
豪ドル/円は、一段の下落の後、値を戻す動きとなった。高値からの下落に対して、61.8%戻しのポイント近辺まで値を戻しているが、一目均衡表の雲下限ライン近辺で上値の重い動きも見られる。目先は、雲を上抜ける動きとなるのか、雲下限ラインに沿って下落となるのか注目したい。上抜ける場合には一段の上昇も考えられる。オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小しており、クロスして下向きに転換するようなら、一段の下げも考えられる。下値のポイントはサポートの75.50近辺となる。